■『with MUSIC』は全世代を狙っている

 有働と宇多田の対談企画を除くと、『with MUSIC』の番組構成は非常にシンプル。ランキング企画などはなく、出演アーティストの簡単なプロフィールを紹介し、スタジオで松下やゲスト出演者と軽くトークをしてから、パフォーマンスを披露。そして、次のアーティストへ……というものだ。

「60年間続くフジテレビの長寿音楽番組『ミュージックフェア』(毎週土曜日18時~)を感じさせる、よく言えばオーソドックス、悪く言えば大きな盛り上がりがない構成です。

 そして、『with MUSIC』には、ME:IやYOASOBIなど若者向けのアーティストと、宇多田さんやナオト・インティライミさん(44)といった上の世代向けのアーティストが両方出演しています。おそらく全世代が楽しめる音楽番組にしたいのでしょうが、裏を返せば視聴層を絞り込めていないということですよね」(前出の制作会社関係者)

※画像は『ミュージックステーション』の公式X『@Mst_com』より

 4月13日の初回では、冒頭から宇多田の対談でスタートしたことで、まず若者世代が離脱し、その後の若いアーティストのパートでは上の世代が離脱、結果コア視聴率も世帯視聴率も両方取れなかった――ということになりそうだ。

「視聴率に関しては、以前放送されていた『世界一受けたい授業』の方が明らかに高かったですね。初回の結果を見て、日テレの上層部も“マズい”となっているのではないでしょうか。

 現在、音楽番組にはCMが入りやすいといい、番組の評価は視聴率がすべてではないでしょうが、制作サイド、そして日テレの上層部もこのままでいいとは思っていないのは間違いないでしょうね」(前同)

 日テレで34年ぶりとなるゴールデン帯の音楽番組としてスタートした『with MUSIC』。気合い十分の有働、そして松下は、ここからどう巻き返していくだろうか。