■相手が木村だから説得力あるパワーワードが登場

 このところの木村は、脱・キムタクを意識した役が目立っていた。

教場』シリーズ(フジテレビ系/2020~)では白髪の冷徹な警察学校教官の風間公親を、『未来への10カウント』(テレビ朝日系/22年4月期)では、生きる気力を失っていた元ボクサーでコーチの桐沢祥吾を演じていたが、

「どちらも主人公(木村)の指導で学生が成長していく物語ですよね。そのため、主人公は木村さんですが、一歩引いた感じでした。各話で掘り下げられる学生の物語を木村さんが後ろから見守るような構図が多く、必然的に学生役の若い俳優が目立っていた。

 制作サイドが若い視聴層の数字を狙っていたところもあったでしょうが、“やはりキムタクはど真ん中で輝かないと!”と考える視聴者は多かったんです。『Believe』は、その需要にこたえていると言えるでしょうね」(前出のテレビ誌編集者)

 木村演じる狩山が、第1話の終盤に刑務官・林一夫(上川隆也/58)から言われた言葉も、主演が天下のキムタクだからこそ、という声もある。

※画像は 木曜ドラマ『Believe-君にかける橋-』の公式X『@believe_tvasahi』より

 刑務作業をする工場で同室者が揉めるトラブルがあったが、林は狩山を呼び出して「君(狩山)が原因」と指摘し、こう言い放つ。

「太陽のような存在はいるだけで周囲をざわつかせ、揉め事を招く。存在を反省しろ」

「存在を反省しろ」――この言葉がXで大沸騰。

《パワーワードすぎる無理だよ、キムタクだもん ここ30年ぐらいずっと輝いてた人だもん》
《マジで心抉られた。それを木村拓哉に言い放つ演出するとか痺れるじゃん‥》
《木村拓哉を復活させる(※)ためにキャストスタッフ全員が力を合わせている雰囲気に胸が熱くなる。最後の「存在を反省しろ」も井上由美子さん(脚本担当)からのエールだろう》(※木村は『未来への10カウント』が自身初の世帯視聴率1桁の回を出すなど、パワーダウンが指摘されていた)

 などと、大バズリしたのだ。ちなみに上川は、この4月クールに今田美桜(27)主演の『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系/土曜9時~)に温厚な役で出演しているため、両ドラマでのギャップに驚く声も多かった。

「上川さん演じる林が放ったセリフは、いるだけで注目されてしまう、大きすぎる存在――木村さん本人と強いシンクロを感じさせますよね。それは、カリスマ性があって目立つ主人公(木村)を認めない、という構図、過去にキムタクドラマでよく見られたシチュエーションだった。そのセリフを演技派の上川さんが言い放ったことで、より強調された感じです。

『Believe』は第2話以降、主人公の狩山が脱獄を企てるなど、木村さんが物語のど真ん中に居続けると考えられる。この先も同作では、“ファンが求めていたキムタク”を見せてくれるのではないでしょうか」(前同)

『Believe』の初回世帯視聴率は、日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系/日曜9時~)の初回11.5%を上回り、4月クールドラマでトップ。劇中ではどん底に落とされた木村だが、現実は好発進を切ったようだ――。