■不倫や浮気はあふれているのに

 法律上、婚姻関係にある夫婦は互いに配偶者以外の人と性交渉をしてはいけないという“貞操義務”がある。しかし、夫婦間はセックスレスでも、男女問わず不倫や浮気といった話題には事欠かない。現に4月25日には『週刊文春』(文藝春秋)で女性問題が報じられた、宮沢博行前防衛副大臣(49)が議員辞職をしたばかり。”夫婦”の関係に変化が起きているのだろうか。

「昔は“結婚するまではセックスはしない”という人もいましたが、今はさまざまな価値観があり、パートナーシップも多様化している。そもそも人生をともに歩むライフパートナーだけがセックスパートナーというのも、理想論がすぎるのかもしれません。

 不倫は夫婦間において不貞行為だし、手放しに賛成するものではまったくありません。しかし、妻が”無理、やりたくない”と言ったときに、夫がずっと我慢しなきゃいけないのも非現実的。男女問わず、一方に”NO”という権利が浸透してくると、他方がヨソで処理をする“プランB”が出てくる感じになってくるのかなと思います」(宋医師)

 折しも時代はマッチングアプリやSNSなど、“プランB”に出会う手段が豊富な社会。夫婦間のセックスレスが必ずしもプランBに直結するとは言わないが、性交渉を取り巻く価値観が変化しているのは確かなようだ。

宋美玄(そん・みひょん)
産婦人科医 医学博士、丸の内の森レディースクリニック院長。1976年兵庫県神戸市生まれ、大阪大学医学部医学科卒。妊娠出産に関する数多くの著書を出版。“カリスマ産婦人科医”としてメディアへの出演、医療監修の他、女性のカラダの悩み、妊娠出産、女性の性など積極的な啓蒙活動を行なっている。2児の母。