ロレックスやルイ・ヴィトン、シャネルといった超ハイブランドが軒を連ね、東京随一の高級ショッピング街でもある銀座。そんな都内有数のハイソな街に、全国で500店舗以上を展開する、安さが売りの回転寿司チェーン店『くら寿司』が4月25日、オープンした。
「場所は、ユニクロやGUといったファストファッションブランドや100円ショップのダイソーなども入る、地下2階、地上7階建ての商業ビル・銀座マロニエゲート2。ここに、くら寿司も店舗を構えることになりました」(夕刊紙記者)
レーンに流れている寿司はすべて1皿115円(税込・以下同)と、破格の安さが売りのくら寿司。休日ともなれば、ファミリー層を中心に混雑している店舗を全国各地で見かけることも珍しくない。そんな庶民の味方ともいえるくら寿司は、なぜ銀座へと出店したのだろうか。その背景を小売・サービス業界に詳しい経営コンサルタントの岩崎剛幸氏に聞いた。
「銀座出店の1番の理由は自社のブランド力の強化のためでしょう。お隣の大国・中国は経済成長しているとはいえ政治的な不安が大きい。やはり、アジアにおける東京の立ち位置は群を抜いています。その中でも銀座と言えば、商業地域としてはトップの立地。銀座にお店を構えることは、企業の信頼へとつながるのです」(岩崎氏)
治安や安全環境の観点から、日本をアジア進出の拠点に選ぶ外資系企業も多い。とりわけ銀座はブランド地域とあって、世界進出を目指す国内企業にとっても人気エリアというわけだ。アメリカ、台湾で多くの店舗を展開している国際的外食企業・くら寿司もまさにそうした立場にある。
他にも銀座の魅力はあるという。
「銀座は来街者が圧倒的に多い街ということもあって、高い売上高をあげることができます。業界内では、人出の多さから1000万人商圏とも呼ばれています。くら寿司が入るマロニエゲートビル2も1階~5階までを埋めるユニクロの会長である柳井正さんが旗振り役となって“EDLP(エブリデー・ロープライス)を掲げた。その結果、安さが売りのお店が集まり、集客力が上がっていますね」(前同)