■塩素系洗浄剤、食酢やアルコールと混ざった場合も要注意

 弊サイトの取材に対して答えてくれたのは、PR戦略センター事業PR戦略部の担当者。塩素系の洗剤と酸性タイプの洗剤を混ぜると起こることは――。

「まず初めに”まぜるな危険”について正確にご理解いただきたいことは、塩素系の漂白剤や洗浄剤と、酸性タイプの洗剤や洗浄剤が混ざると、危険な“塩素ガス”が発生するので注意が必要であるということです」(花王の担当者)

 塩素系と酸性タイプの洗剤を同じエリアで使用する場合は、具体的にどう気をつければいいのか。前出の担当者は「それぞれ単独で使用した後、充分に水で洗い流してから使えば、排水口で混ざっても危険なガスが出ることはありません」と話す。

 だが、今回Xへと投稿された事例のように、浴室などの水回りの掃除に使うのは洗剤だけとは限らない。前出の担当者は「塩素ガスが発生する条件」をこう話す。

「塩素系の漂白剤や洗浄剤に、酸性タイプの洗剤や洗浄剤が混ざった場合だけでなく、食酢やアルコール等と混ざった場合も塩素ガスが発生する危険があります。このため、ご使用の際は必ず、製品の裏面にある注意表示をよく読んでからご使用いただくよう注意喚起をしております」(前同)

 排水口のヌメりを落とすためにと、塩素系のヌメり取り剤を使用している人もいるだろう。しかし、これも危ないという。日本家庭用洗浄剤工業会は、酸性の排水パイプ用洗浄剤を使って排水パイプを掃除する際は、ヌメり取り剤は外してから使用するよう注意を呼びかけている。

 製品は必ず単独で使用し、使用後は水でよく洗い流してから、次の製品を使うこと。また使用する際は換気などの注意が必要だという。

「体調がすぐれない方や、心臓病・呼吸器疾患等の方は使わない。換気扇を回す等、必ず換気する。炊事用手袋、目の保護に眼鏡等を着用する旨を商品には記載し、注意をお願いしております。使用中、目にしみたり、せき込んだり、気分が悪くなったときは、ただちに使用をやめて、その場から離れ、洗眼・うがい等をしてください」(同)

 もし洗剤が目に入ったり、飲み込んでしまうことがあったた場合の応急処置は?

「最悪の場合、失明のおそれがありますので、こすらずただちに流水で15分以上洗い流し、痛みや異常がなくても直後に必ず眼科医を受診してください。

 また、飲みこんでしまったときは、吐かずにすぐ口をすすぎ、コップ1~2杯の牛乳または水を飲む等の処置をし、医師にご相談ください。皮膚についたときは、すぐに水で充分に洗い流し、異常が残る場合は皮膚科医にご相談ください。いずれも受診時には使用した商品をご持参ください」(同)

 意図的に混ぜなくても、うっかり混ざってしまう可能性を考えて使用しなければならないということだ。あらためて”まぜるな危険”を肝に銘じておく必要がありそうだ。