■練習3年、ダンスバトルで優勝――今後の夢は

 TikTokで大バズリする契機ともなった、頭の上にまで高く上げた足を振り子のように前後に振る姿は、屋代さんいわく「基礎練」とのこと。とはいえ、最初からつま先立ちで足を高く上げられたわけではないという。

「最初は片足2秒がやっとでしたね。それが悔しくて、パンプスやハイヒールを履くのをやめ、スニーカーでいつでもどこでもやるようにしました。買い物でレジに並んでいる間でも、少しでも時間があれば周りの目を気にせず、片方の足でつま先立ちをコツコツやる。毎日毎日やっていると、つま先立ちをするための筋肉が鍛えられてきて、30秒くらいキープできるようになりました。今は片足1~2分キープできます」(前出の屋代さん)

 文字通り“いつでもどこでも”するのが屋代さんの練習スタイル。足を高く上げるのも同様だ。

「やっているうちに重心の置き方のコツを自分なりにだんだん分かるようになってきた感じです。1ミリずつでも、少しずつ……気がついたら頭より足が高く上がるようになって。つまずいてもおかしくない年齢からのスタートだったんですけど、最近、道でつまずくこともなくなりました(笑)」(前同)

 日々の練習が実を結び、23年1月に開催された『第3回ロボットダンスバトル』では優勝。同年6月にはパフォーマンスイベント『TOKYO STEP TOGETHER』で初ショーケース(※ダンスなどの発表会)出演、特別賞を受賞した。さらに今年は次女の大学受験も無事終了し、いよいよダンスにも熱が入る。

 将来の夢を聞いてみると、屋代さんは「十分すぎるぐらい仲間やイベントに恵まれていて、みなさんのおかげでダンス環境をいただいているんですけど、今後、自分もそういう場を提供できるようにはなりたいなと思います」と話す。

「年齢を重ねれば重ねるほど若者の集まるダンススタジオには通いにくくなりますので、中高年でも集まれる、交流できるようなコミュニティを作ることができたらいいですね」

 と語る屋代さん。なお、『中高年型』というアカウント名については、「カッコつけてる場合じゃないので、ネタとして印象に残るよう最初から狙ってはいました」と笑う。

 先日は《ダンスはやっぱり光GENJIな主婦》と題しつつ、光GENJI要素皆無のダンス動画をTikTokに投稿して、《プロフィールといい表情といいタイトルといいセンスが異端でまじで好きすぎる》などと話題を呼んでいたが、投稿するたび、確実に多くの人々の目を釘付けにする屋代さんのダンスの可能性はまだまだ始まったばかり。今後、どんな凄いダンスを見せてくれるのだろうか――。