■有働・松下ペアにも課題が

『with MUSIC』は5月11日放送の2時間SPも、&TEAMBE:FIRSTマカロニえんぴつといった若い世代に人気のアーティストと、20th Century、高橋洋子(57)などファンの年齢層が高めのアーティストが両方出ている。さらに言えば、「夏うた特集」や「アイドルソング特集」のような統一感もない。

 5月9日発売の『女性セブン』(小学館)では有働が、個人的に大ファンでもある中森明菜(58)を『with MUSIC』に呼びたがっている、とも報じられていたが――、

「明菜さんが出てくれて数字が上がってもその回限りでしょう。根本的な改善にはならない。もっとも、彼女の個人事務所は《今のところ、テレビ出演は全く予定しておりません》と、スポーツ紙にコメントを出していましたが」(前出の芸能プロ関係者)

※画像は中森明菜の公式X『@akinan_official』より

 前出の芸能プロ関係者は続ける。

「『with MUSIC』が大惨敗状態にある2つ目の理由は、番組の顔になっている有働・松下ペアにあると言われていますね。

 もちろん2人とも好感度が非常に高いタレントですし、MCもトークも際立って悪いところがあるわけではありません。ただ、落ち着いた雰囲気のある2人をメインにしたことで、ワチャワチャ感とか、アーティストとの思わぬハプニングとか、そういった想定外の化学反応が起こりにくい、楽しいことが起こる感じがしない、ともっぱらです」

 有働は、NHKアナウンサー(18年4月退職)としては『あさイチ』のトークなど明るく楽しい姿が印象的だった。しかし、退職の理由を「海外での現場取材」などジャーナリスト活動に関心があるからと発表したり、先日まで硬派な報道番組『news zero』(日本テレビ系/18年10月~24年3月末)を担当したりと、コア視聴率を狙う音楽番組のMCとは明らかに方向性が違う。

『with MUSIC』の初回放送時に有働が宇多田ヒカル(41)を相手に独占インタビューをする企画を放送した際も、Xでは《淡々としている》《あまり深掘りできていない》などの声も多かった。

「松下さんも、明るい元気さが売りではなく、大人の男性の落ち着いた感じが魅力のタレントですよね。結果として『with MUSIC』は、60年間続くフジテレビの長寿音楽番組『ミュージックフェア』(毎週土曜日18時~)みたい、という感想が出るような、悪い意味で落ち着いていて、爆発的な盛り上がりが期待できない感じになってしまっていると。

 視聴者ターゲットを絞れていない、メインの2人が大人すぎる――そうした要因から、『with MUSIC』は想定外の大苦戦となった。そして、それが後番組の『土ドラ9』と『土ドラ10』にも響いてしまっているということですよね。

 とはいえ番組は始まったばかり。MCの有働さんは『with MUSIC』に向けて髪を真っ赤に染めるなど気合いは十分。日テレも当然、課題は把握しているでしょうから、今後、勝負の音楽番組『with MUSIC』がどう変わっていくのか注目ですね」(前同)

『with MUSIC』がコケ続ければ、後に続く2つのドラマも厳しい。有働と松下の奮起も期待されるところだろう。