King & Prince岸優太(27)主演の『すきすきワンワン!』(日本テレビ系)は、無職で無気力に生きている青年が、幼少の頃に飼っていた犬の生まれ変わりだという青年に“再会”し、愛し愛されることで成長していくファンタジーなストーリーだ。第4話は、炬太郎(岸優太)がフードデリバリーのバイトを始める。仕事を甘く見ていたことで思わぬ試練に見舞われるが、天(浮所飛貴/20)と話すことで自分を省みるのだった。

■葛藤を演じる岸優太が素晴らしい

 炬太郎は、大学卒業後に入社した会社で、5歳上の先輩について外回りをしていた。先輩は誰にでも優しくて人柄もよく仕事もできるパーフェクトな人で、炬太郎から見たら「少し先を歩く人生の見本」のような人だった。

 しかし、先輩は理不尽な理由でへき地の支社に異動になってしまい、炬太郎は仕事のモチベーションや目標を失ってしまう。半年で退社して年月が経過した今でも、先輩の異動については納得がいかず、会社への不満も解消されないままだった。

「何も悪いことしてない。してないどころか、営業成績トップクラスで、めっちゃ周囲の評判がよくて、上からも下からも慕われてて。なんなら、“道行く見知らぬおばあちゃん”の荷物も持ってあげちゃうような人」なのだ。この先輩の人物像、まるで岸そのものではないか。

 事務所の先輩方からかわいがられ、後輩からも慕われている。バラエティ番組で共演しているタレントが、岸の言動に抱腹絶倒で笑いまくっているのを見ると、どんな人からも愛される人柄だなと思う。

 一方で仕事は丁寧で、まじめに取り組む人だ。舞台でのパフォーマンスやダンスの振り入れでは、納得いくまで体に覚えこませようとストイックに自分を追い込む。華やかな現場の裏側で、シビアな現実を知っているからこそ、人一倍努力をして生きてきた。だから、炬太郎が抱えている葛藤を、見事に演じることができるのだろう。