■「ポツンと一軒家強盗」頻発の背景を犯罪ジャーナリストが分析

「ポツンと一軒家」を狙った強盗が増えている背景を、元警察官で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏はこう語る。

「山間部の一軒家を狙うのは、住人を拘束して事件の発覚を遅らせることができるからですよね。それも1人暮らしの高齢者を狙っている。技能実習生の逃亡も相次いでいますし、これらの犯罪と関連性があるという見方もある。警察はベトナム人の犯罪が増加していることも危惧しています」(小川氏、以下同)

 2023年10月時点での国籍別在留資格者の人数は1位がベトナム、2位が中国、3位がフィリピンだ。22年度では、警察に摘発された外国人9548人のうち、ベトナム国籍が最多の3432人に上ったことが警察庁の調査で明らかになっている。ブローカーにカネを払って来日したが、結果、カネに困って犯罪に手を染めるケースが目立ったという。

「決してベトナム人に限ったことではありませんが、捕まって初めて外国人犯罪だとわかるケースも増えている。スイカやメロンなどの農作物の盗難も相次ぎましたが、何でもやるという外国人は少なくない。

 新興国の一部では“日本は捕まりにくい国”ということも都市伝説的に広まっていて、技能実習生を辞めて犯罪に手を染める者もいれば、そういった者から手引きを受けて犯罪をするために来日する外国人もいますからね」

 最近、山間部にポツンと建つ一軒家が狙われる理由は他にもあるようだ。

「こういった手口は、日本にある程度居住している外国人が関係している可能性が高いとも考えられます。技能実習生の働き口は農業や工業など、山間部が多いですからね。働いていればある程度その地域に明るくなる。レンタカーを借りることなく車も使えます。日本在住の外国人の手助け、手引きがないとできない犯罪なのではないでしょうか」