■4月クールは“記憶喪失”が5作品も

「男性が育児を通じて、さまざまな葛藤を抱えながら頑張ったり、そのなかで元妻との交流や、新しい出会いがあったり――男性キャラクターの成長を見せる作品として、物語を描きやすいところはあるでしょう。

 STARTO社タレントの主演作で言えば、相葉雅紀さん(41)主演の『マイガール』(テレビ朝日系/09年10月期)やWEST.重岡大毅さん(31)主演の『#家族募集します』(TBS系/金曜夜10時~)などもシングルファーザーの作品でした。

 ただ、今回は同じ7月クールに3人も子持ち設定で被っていること、現在放送中の4月クールでも“設定被り”が指摘されたばかりですから、ドラマファンが、少々辟易しているところもありそうです……」(前出のテレビ誌編集者)

 4月クールは、「記憶喪失」が重要な要素として登場する作品が多い。生見愛瑠(22)主演の『くるり~誰が私と恋をした?~』(TBS系/火曜夜10時)、杉咲花(26)主演の『アンメット ある脳外科医の日記』(フジテレビ系/月曜夜10時~)、川口春奈(29)主演の『9ボーダー』(TBS系/金曜夜10時~)、中村アン(36)主演の『約束~16年目の真実~』(日本テレビ系/木曜夜11時59分~)、広瀬アリス(29)主演の『366日』(フジテレビ系/月曜夜9時~)――5本もあるのだ。

※画像は『くる恋』の公式X『(@kurukoi_tbs』より

「現在、民放局は、バラエティ番組に比べてCMが入りやすいドラマ枠をどんどん増やしています。今年も日本テレビが、4月改編で『土ドラ9』枠を新設し、今田美桜さん(27)主演の『花咲舞が黙ってない』が放送されています。

 ただ、あまりに枠を増やしすぎたため、刑事ドラマや医療ドラマなど普遍的なジャンルのドラマが乱立されている感があったのですが、同様の理由で一定の需要がある“記憶喪失”や“シングルファーザー”も連発されている感も否めないですよね。

 もちろん設定が同じでも中身は差別化できるでしょうが、同クールに設定被りが連発すると、“同じ方向を見て作ってるの?”という感じで、制作サイドの姿勢に落胆する視聴者も出てきてしまいそうですよね。それが4月期に続き、次の7月期もそうなりそう、ということですね……」(前同)

 4月クールの連続ドラマは放送開始前に“記憶喪失”設定・展開が伏せられていた作品も多く、開始後に“この作品もかよ!”とじわじわと話題になっていった。7月クールも、放送後さらにシングルファーザー役が増えてしまったら、さすがにまずそうだが、果たして――。