■“幻のグミ”はメルカリで1万円以上で落札の異常事態

 右肩上がりの急成長を見せるグミ市場。そこではさまざまな新商品が次々と生まれているが、中には入手が難しい商品も現れている。

 特に“幻のグミ”とも呼ばれる商品は、フリーマーケットアプリ『メルカリ』で信じられないほど高騰しているという。前出の太田氏が説明する。

「マスカットシロップをシャリシャリ⾷感の砂糖で包み込んだ『シャインマスカットボンボン』(239円・税込/以下同)は、関東のファミリーマート限定で販売したところ、SNSを中心に話題となり、数量限定販売だったため即完売。“探し回ったけど全然見つからない”といった嘆きの声がネット上にはあふれました。

 メルカリでは、未開封のものがなんと1万円以上で落札されることも。2000~3000円で安いと思ったら、ひと粒ふた粒のバラ売りだったり、ただの空の袋だったりと、異常事態になっています」(太田氏)

メルカリに出品された『シャインマスカットボンボン』 ※画像は「メルカリ」より

“手に入らない”ことがあまりに話題になったためか、Z世代総合研究所(Z総研)が24年6月に発表した『Z総研2024年上半期トレンドランキング』では、『流行った食べもの・飲みもの』の2位にこの『シャインマスカットボンボン』が食い込んでいる。Z世代もこの幻のグミを探し求めていたようだ。

 また一方で、手には入るものの、大行列ができるグミもある。

「カンロ飴などで知られるカンロ株式会社の『グミッツェル』(170円)ですね。同社の直営店『ヒトツブカンロ』とオンラインショップのみで販売している新世代グミで、焼き菓子のプレッツェルのような形がキュート。また、外側がパリっと、中はしっとりという食感も新しい。

 あまりの人気に販売個数の制限に加え、23年からは整理券を導入していますが、それでも売り切れが出る日もあるほど。整理券なしではまず手に入りません。今年、日本テレビ系のお昼の情報番組『ヒルナンデス』が2月、4月、5月とたびたび紹介していて、ますます手に入りにくくなりそうですね」(前同)

東京の新名所・東急プラザ原宿「ハラカド」の『ヒトツブカンロ』の前には、整理券を持った購入待ちの列が並ぶ 撮影/編集部

 入手困難なグミを手にするという自慢ができることも、SNS世代には刺さるのかもしれない。活況のグミ市場、次はどんなヒット商品が生まれるだろうか。

太田まき子
新潟県出身。大学卒業後、広告会社及びマーケティング会社にて女性向け商材のプロモーション、ファッションカルチャーイベントの企画運営、エンタメ系の広報PRなどを担当。現在はフリーランスのPRとして、トレンドのマーケティングやリサーチを行う。