■東京駅のウェディングフォト人気と“インスタ映え”がシンクロ

 ウエディングフォトの撮影を待つ新郎新婦で長蛇の列となる東京駅・丸の内駅舎前。撮影場所として大人気となった背景にはどの様な事情があるのか。弊サイトは、ウェディングフォト事業を手がけ、東京駅でのロケーションプランも用意している株式会社デコルテに話を聞いた。

 同社広報担当者によれば、結婚式のスタイルが多様化するなか、挙式をせずに結婚写真を記念に残す「フォトウェディング」の割合は近年増加の一途だという。

「数年前は、式に合わせて撮影する“前撮り”を行う新郎新婦様が多かったのですが、今は挙式をしない、またはまだ式をあげるか迷っている方が増えているため、前撮りとフォトウェディングとの割合が半々くらいになっています」(広報担当者)

 写真撮影のニーズが強まるなか、「屋外での撮影も増えてきた」とのこと。背景には何があるのか。

「以前は、“結婚写真はスタジオで撮るもの”という認識の方が多かったように思います。現在もロケーション(屋外)かスタジオかでいえば、スタジオ撮影を利用される新郎新婦様のほうが多いのですが、この10年ほどで撮影場所やシチュエーションにこだわる層がかなり増えているのは事実。写真のインパクトやバリエーションを求める方は、ロケーション撮影を選ばれます」(前同)

 では本題の「東京駅」について。東京駅でウェディングフォトを撮る流れはいつ頃から始まり、どういったポイントが支持されているのだろうか。

「東京駅で撮影されるようになったのは8年前ぐらいですね。その後ここ5年ほどで注目度がぐんと上がってきて、今はすっかり人気スポットになっています。

 丸の内駅舎は夜景がすごく素敵で有名なので、日が暮れるのを狙った撮影がよく行なわれています。そして、そもそも東京駅は建物として季節を問わず絵になるスポット。桜や紅葉、新緑といったシーズンに左右されず、一年を通して安定した風景が期待できるので選ばれやすいという側面もあります」(同)

 インスタグラムが日本に上陸したのはちょうど10年前の14年2月。「映え」というワードが流行語大賞にノミネートされたのは7年前の17年だから、ウェディングフォトにこだわる人々が登場し、さらに東京駅が注目され始めた時期と重なる。

 撮影場所として東京駅を選ぶ人の傾向も変わってきた。当初は「東京駅×ウェディングフォト」という意外性が魅力だったが、人気が広まった結果、最近は「“間違いなく素敵な写真が撮れる場所”として選ばれている」と担当者がその肌感を語る。