■SMAPの映像を管理していたのは――

 芸能プロ関係者は話す。

「『古畑任三郎』の再放送で、SMAPの写真が映るわずかな場面ですら不自然すぎる黒塗り処理をせざるを得なかった――その理由は、まずは権利問題。そして、映像の使用料の問題もあるのでは、とささやかれています。

『古畑任三郎』に限らず、現在、テレビ局がSMAPの過去映像を使用する際には、SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)サイドから高額な使用料請求がある――そうした話が聞こえてきていますね」

 まず、2016年末をもって解散したSMAPの映像作品の権利は、2005年6月に設立された旧ジャニーズの関連会社『株式会社ジェイ・ドリーム』が管理していたとされる。『ジェイ・ドリーム』はジャニー喜多川氏(享年87)が代表取締役社長、元SMAPチーフマネジャーのI氏が取締役を務めていた会社で、16年末のSMAPの解散後も“幽霊会社”として放置状態。

 同社は今年4月にSMILEーUP.のマネジメント部門が新会社のSTARTO ENTERTAINMENTの新体制に移行してからも形だけ残っており、代表取締役も旧ジャニーズに長年勤めた名物広報マンの元副社長・S氏が19年9月に就任してから、彼が旧ジャニーズを離れた後もそのままの状態になっているという。そして、元チーフマネージャーのI氏や元SMAPのメンバーが、同社の株式をかなり保有しているとも言われている。

 前出の芸能プロ関係者が続ける。

「『ジェイ・ドリーム』はSMAPのための会社だったのにSMAPは解散し、I氏が退所。さらにジャニー喜多川氏の加害が世界的な問題となったことでI氏や元メンバーは今まで以上に旧ジャニーズと距離を取るようになった。そのことで会社を清算することも難しく、『ジェイ・ドリーム』はアンタッチャブルな会社になってしまっているといいます。これがSMAPの権利関係の難しさに拍車をかけていると言えそうです」

 SMAPの過去映像の許可を取るには、木村が契約しているとされるSTARTO社に加え、I氏が草なぎ剛(49)、稲垣吾郎(50)、香取慎吾(47)の新しい地図と独立して立ち上げた『CULEN』、そして独立した中居正広(51)の事務所『のんびりなかい』へ確認が必要になってくるわけだが、

「SMAP全体の映像の権利は『ジェイ・ドリーム』が扱っていたわけで、やはりそこにも関わってくる話かと。そうなるとそこの窓口はタレントのマネジメントを担当するようになった新会社のSTARTO社ではなく、かつてを知る旧ジャニーズ、つまりSMILEーUP.になってくると考えられます。

 しかし、SMILEーUP.はジャニー氏の被害者への補償対応やSTARTO社への各分野の引継ぎ業務に追われています。そんななかで、創業家と揉めて退所した元チーフマネージャーI氏や元メンバーも絡むSMAPの映像関係のことには触れたくない、触れる余裕はない、と見られています。

 そうしたなかで聞こえてくる過去のSMAP映像使用の高額使用料の話――それは通常の数倍程度の額ではないと言われ、そこには、テレビ局サイドが使用を諦めることに期待しているところもあるのでは、と言われているんですよね……」(前同)

 ただでさえテレビ不況の時代。『古畑任三郎』はレジェンド作品とはいえ、再放送のためだけに高額な予算は用意できないだろう。そのため、フジテレビは苦肉の策でSMAPの写真を黒塗り処理せざるを得なかった、ということなのか。