■もやもやが残った松下洸平
続いて、川口春奈(29)主演の連続ドラマ『9ボーダー』(TBS系/金曜よる10時)は、ボーダー(各年代の“大台”を迎える前のラストイヤー)を越えて、自分の生きる道を模索していくヒューマンラブストーリー。松下洸平は、記憶を失っている謎の青年・コウタロウを演じ、中盤過ぎまで期待通りの甘い言葉を連発。ファンを喜ばせていたがーー。
コウタロウが記憶喪失だということもあるが、だんだん“癒やし”を主人公・七苗(川口)に供給するマシーンのような存在に。松下の使い方としては正しいだろうが、ストーリー展開に貢献することは少なく、どうにも物足りない役柄だった。
終盤、コウタロウの正体が芝田悠斗だとわかり、彼の婚約者・酒井百合子(大政絢/33)が現れてからは、松下は複雑な感情を表現するようになり、キャラにも深みが出てきたが時すでに遅し。もっと早く婚約者があらわれていれば、さまざまな松下洸平の演技を楽しめたのだろうが、残念だ。
最後は、広瀬アリス(29)主演の月9ドラマ『366日』(フジテレビ系/毎週よる9時)で、高校時代、お互いに片思いをしていたが、思いが通じ合うことはなかったという、雪平明日香(広瀬)と水野遥斗(眞栄田)の、切なくはかない恋の物語。同級生たちの群像劇の側面もあったが、そこがネックになったかもーー。