■主人公止まらない闇落ち……斬新設定も視聴率は振るわず

 当初は青臭い主人公が、権力争いを経て清濁併せ吞むたくましい男に成長していく――そんな展開を期待する声もあった。しかし、終盤を迎えても感情的で浅はかな考えで動く主人公に辟易してしまった視聴者もおり、X(旧ツイッター)には《世間知らずの・情熱だけで動く・まっすぐすぎる海斗の、『お坊ちゃん成長物語』として、見るしかねぇな》といったコメントが寄せられた。

 その後も海斗(赤楚)は成長するどころか、大友郁弥(錦戸)に対するライバル心や環境の変化によって視野がどんどん狭くなっていき、「大友が反対していた心臓病の子どもの手術を海斗が強行した結果、オペでトラブルが発生して命の危機に」という展開にも。

 最終回では、医療過誤の隠蔽について大友が理事会で告発。海斗もその場で隠蔽を認め、その後に会見を開き、隠ぺいを公表するとともに会長の皇一郎(笹野高史/76)の解任、病院が解散となることを発表。

 その後、大友が新たな場所で医師としてやり直すと海斗に告げ、海斗は再び記者としての人生を歩むことになった。ところがラストシーンでは、海斗が無償譲渡したという病院の新理事長として満足気な表情の大友が姿を現す。それを怒りの表情で睨みつける海斗の姿でドラマはエンディングを迎えた。

「闇落ちした主人公に共感できず離脱した人は多くいましたし、ラストは闇落ちから改心したが、錦戸さん演じる大友が裏切って病院の新理事長に――という後味の悪い展開にもなりました。

 主人公がどんどん嫌われていくというある意味で斬新なドラマではありましたが、途中で視聴者が離れてしまったことが大きかったのでしょう、視聴率は“爆死”と言われても仕方ないものになってしまいました。

 同じフジテレビのドラマでは『イップス』(金曜日夜9時)も、前評判を大きく裏切り、低迷したまま最終回を迎えましたね」(前出の制作会社関係者)

※画像は『Re:リベンジ-欲望の果てに-』の公式X『@revenge_fujitv』より

 篠原涼子(50)とバカリズム(48)のダブル主演ドラマ『イップス』は、“イップス”に陥って小説を書けなくなったミステリー作家・黒羽ミコ(篠原)と、事件を解けなくなったエリート刑事・森野徹(バカリズム)がバディを組み、たまたま遭遇した事件を解決していくミステリーコメディー。

「ドラマは『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』(フジテレビ系)のように、先に犯人や犯行シーンが明かされる“倒叙型”を用い、フジテレビのレジェンド作品『古畑任三郎』を彷彿とさせることから放送前は注目されていました。ところが、最初からずっと評判も数字も良くなく、6月21日の最終回のコア視聴率も1.4%と大惨敗で終了しました」(前同)