■『イップス』を見ることで『古畑任三郎』の凄さがあらためて浮き彫りに

 最終回は倒叙型ではなく、ミコ(篠原)と森野(バカリズム)がイップスになってしまった原因である「歪な十字架模倣事件」や新たな事件を追うという展開となったが、ミコがいっさい推理することなく、森野1人であっさり犯人と突き止めてしまった。視聴者からは、

《イップス最終話。盛り上がりに欠けるまま終わった。キャスト的には名作にもなり得た布陣だったろうに、残念だ》
《最終回。倒叙ミステリーを売りにしておきながら最後は倒叙ミステリーじゃないんか〜い ごめんねどうしても古畑と比べてしまうんだが》
《面白くなりそうで、ならなくて、そして最終的にやっぱり面白くないで着地。改めて「古畑」って面白いんだなと思わせてくれた》

 といった声が寄せられてしまった。

「主演2人のテンポのいいやりとりは面白いのですが、犯人のトリックが安易だったり、推理が強引すぎるなど、ツッコミどころもたくさんあった。ドラマに山がないというか、事件が解決されるまでの流れがあまりにも淡々としすぎていて盛り上がりに欠ける、という声が少なくありませんでした。

『イップス』を見るといかに『古畑任三郎』が凄かったのか、いかに田村正和さん(享年77)の演技、犯人役の大物ゲストの演技が素晴らしかったのか、いかに三谷幸喜さん(62)の脚本が練られたものだったかがあらためて実感できましたね。

 篠原さんとバカリズムさんという話題性抜群のキャストなのに視聴率は最悪。6月7日放送回に至ってはコア視聴率0.8%と1%にも満たない数字だった。“『古畑』のような作品”を期待していた多くの視聴者が早々に“そうではない”と悟り、一気に離脱してしまったのではないでしょうか」(前出の制作会社関係者)

※画像は『イップス』の公式X『@yips_fujitv』より

 6月29日に最終回を迎えるSixTONES森本慎太郎(26)主演の『街並み照らすヤツら』(日本テレビ系)もスタートから苦戦が続いている。

 当初、日本テレビの4月クール「土ドラ10」枠では“小学館の漫画原作のドラマ”を放送する予定だった。一部ではムロツヨシ(48)が主演、西炯子氏原作の『たーたん』だったと報じられている。

 2023年10月クールに日本テレビで放送されたドラマ『セクシー田中さん』の原作者の芦原妃名子さん(享年50)が、望まない原作改変の大騒動に巻き込まれて今年1月に急逝。4月クールに『セクシー田中さん』と同じ小学館の『たーたん』原作と報じられたドラマが放送予定だったとされるが、日本テレビは2月22日にこの“小学館の漫画原作のドラマ”の制作を見送ることを発表。

 主演予定だったムロは辞退を申し入れたと報じられ、代わって森本が『街並み照らすヤツら』に主演することが3月22日に明らかになった。

 ドラマは、さびれたシャッター商店街で経営ギリギリのケーキ屋を営む店主・竹野正義(森本)が、大切な店や家族を守るため、悪事に手を染めてしまうがそこから予期せぬ展開へと発展する怒涛のヒューマンエンターテインメント。