■夕食にラーメンが有効な理由
日中、外を動き回って疲労困憊……。クタクタになったら、夕食にラーメンを食べるのも手だという。
「ラーメンは塩分や水分補給に適しています。とりすぎには注意ですが、塩分を控えすぎるのもよくない。日中にたくさん動いて極度に脱水した人が、翌日までに、ゆっくり回復させる目的で、ラーメンを食べるのは有効だと思います」
一日の終わりの就寝時。熱中症は自宅、それも夜間に発症することも珍しくない。寝るときの服装は肌の露出が多いものを選ぼう。
「汗を吸収するから、パジャマを着たほうが逆に涼しいと言われることもありますが、基本的には肌の露出が多いほうがよい。熱が放散されやすく、深部体温も下がりやすいでしょう。半袖や短パンなど、肌の露出面積が大きく、通気性のよい素材のものを着用して寝るとよいでしょう」
最後に挙げる対策は、体の機能を向上させ、暑さに慣れる暑熱順化だ。
「暑熱ストレスを繰り返し経験すると、体が暑さに慣れて楽に感じてくることがあると思います。この現象が暑熱順化。皮膚血流量と発汗量が増加し、体の熱を外に逃がしやすくなります。また、汗のナトリウムの損失は抑えられる利点があります」
暑熱下での運動を1週間ほど続けることで順化させることができるというが、風呂につかることで訓練することも可能だという。
「最初は30分程度を目安にし、徐々に時間を延ばすとよいでしょう。温浴は深部体温が上がりやすいので、苦しくなってきたら半身浴や、一度、湯船から出るなどして調整しましょう」
しっかり熱中症に備えたい。