■自ら客の腕の手をつかんで誘導し……

 実際に弊サイト記者も大久保公園の一角にできた、外国人立ちんぼだらけの通りを歩いてみるや、流し目でこちらを見つめる外国人女性が、腰をくねらせながら手招きをしてくる。中にはこちらの腕をむんずとつかみ、自身の胸を押し当て耳元で“気持ちいいよ”とささやきかけてくる立ちんぼ女性までいるほどだ。

 立ちんぼだけではなく“TACHINBO”も出現したことにより、喜べない国際化が進んだ大久保公園周辺。彼女たちはなぜ、異国の地で街娼行為を営むのか。弊サイト記者はアメリカ発のファッションブランド・ヴィクトリアズ・シークレットのロゴが入った赤い下着が白い服の上から透けて見える、29歳でアフリカ出身を自称する外国人女性に話を聞いた。

「今は円安だから。都内のバーで働いているけど全然、お金が儲からない。毎日出勤しても30万円くらいかな。これじゃ家族に仕送りなんてできやしないよ。だったら夜、街に立った方がお金になるから1年くらい前から立ちんぼを始めました。今は月に3日間立っています。お客さんは1日2~3人くらいで1人1万5000円。お客さんはもっぱら外国人の観光客ばかりね」(外国人女性)

 外国人観光客の間でも話題を呼んでいるという大久保公園。どの様にして外国人観光客はその存在を知るのだろうか。

「ネットでしょう。YouTubeとか見たら今はなんでもわかる。日本人の男だって海外に旅行に出かけたら夜のお店に行くでしょう。それと一緒の感覚なんじゃない」(前同)

 しかし、路上での客引き行為は違法である。彼女はその点をどの様に考えているのか。

「イリーガル(違法)なのは知っているけど、別に誰も注意してこないしね。お客さんとトラブルになったら怖いから、いつも立っている場所の近くにあるホテルを絶対に使ってる。イリーガルなことだから、何か起きても警察を頼りにもできないし。近くに(立ちんぼ)仲間がいれば安心かなって」(同)

大久保公園周辺には待ち合わせ行為を止めるよう喚起する看板がある 撮影/編集部

 彼女が客を案内するのは休憩1時間2800円の安ホテル。室内にはベッドすらなく、井草の色が抜け切った3畳分の畳が敷き詰められた部屋にはソファーが置かれているだけだという。隣の部屋の声も丸聞こえとなるこのホテルの受付を彼女は「パパ」と呼んでいるという。ずいぶん親密そうに思える2人の関係について聞くと、彼女は顔色ひとつ変えずに、「皆んながそう呼んでいるから、私もパパと呼んでいるだけ」とだけ語った。

 さまざまな背景事情を抱え、夜の新宿歌舞伎町の大久保公園に立つ女性たち。その一方で周辺住民が、治安の悪化と街の劇的変化に頭を悩ませているのも事実だ。