■犬が熱中症かも、と思ったらまず最初にすべきこと

 猫よりも暑さに弱いことがわかった犬。そのなかでも、特に熱中症になりやすい犬種はあるのか。

 ペット保険商品を展開する『アニコム損保』の統計では、熱中症にかかった犬種別の割合で最も大きいのはフレンチ・ブルドッグとのこと。鼻が短いフレンチ・ブルドッグのような短頭種は熱を逃がすのが苦手だそうだ。他にも、盲導犬や警察犬として活躍していることでも知られるラブラドール・レトリーバーなどの大型犬も体温が上昇しやすいそうだ。また前出の山田院長は「毛が長い犬は、真夏にセーター2枚ぐらいきているようなもの。夏はバリカンで毛を短くしておくことも大事」と話す。

 では、犬の熱中症、あるいは熱中症になりかかっているのを飼い主が見分けるサインは。

「体温が高くなって、ぐったりしていたら熱中症を疑ったほうがいいですね。抱っこしてみて、お腹や内股のあたりを触ると体温の変化がわかりやすいと思います。あとどういった環境にいたかもポイントです。車の中に犬を置いて買い物に行っちゃったとか、室内で飼っていてもエアコンを切って外出してしまったようなことがあったら、まずは犬の状態をチェックしてください」(山田院長)

 もし犬が熱中症かもしれないと思ったら、「まずは身体を冷やしてあげることが大事」だと山田院長は言う。

「水を飲むようなら飲ませて、身体をなるべく冷やすこと。冷やすといっても、水をかけたり、水の中に入れるような急激に冷やす行為はNGです。水を含ませた濡れバスタオルで身体をくるんであげましょう。危なそうだと思ったら、迷わずに病院へ連れて行ってください。病院で診断された結果、熱中症ではない“空振り”でもいいんです。とにかく早めの対処をすることこそが大事なので」(前同)

 人間以上に犬は暑い、ということを念頭に。室内だとしても温度管理には十分に注意して、ペットの熱中症対策を行ないたい。