2024年1月1日。同日夕方に石川県を襲ったのは能登半島地震。最大震度は7を記録した大地震から半年以上が経った能登では、徐々にだが、復興への兆しが見えてきたという。

「大きな被害を受けた石川県輪島市の輪島港では、“今年の夏はぜったい無理”と言われていた海女漁が再開されました。素潜りでサザエやアワビを捕まえる輪島の海女漁は、国の重要無形文化財にも指定されています。現在でも、24歳〜84歳まで130人ほどの女性が輪島港では海女漁に精を出しています」(地元の漁協関係者)

被災地に大きな爪痕を残した地震 写真/編集部

 学生の夏休みも始まり、行楽シーズンへと差し掛かるこれからの季節。千葉県勝浦市にある勝浦朝市、岐阜県高山市の宮川朝市と並んで日本三大朝市の1つにも数えられる輪島朝市には多くの観光客が訪れることも予想される。震災から復活した海女漁は、北陸地方の台所でもある輪島朝市へと地元の海産物を届けられるのか。弊サイトは『輪島の海女漁保存振興会』で会長を務める門木奈津希さん(43)へと話を聞いた。

「本格的な漁の復帰までは、当面時間が掛かるでしょうね。海底は隆起して浅くなっているし、土砂が流れ込んだんか海産物は泥を被っているいうんかね。いつもと海の様子は明らかに違うわね」(門木さん)

 現に、復活した海女漁の行く手には大きな壁が立ち塞がっているという。

「地震で輪島港の水槽や冷却設備が壊れてしまった。そのせいで冷却保存ができないからアワビやサザエはとれません。市場に卸すのは無理ですね。その代わりに、朝とれたらすぐに出荷できるモズクを水揚げするんです。だけど、モズクも地震の影響なのか浅瀬には全くない。所々にしか育っていない印象です」(前同)