東京・大田区の都立六郷工科高校で7月16日、激辛のポテトチップスを口にした15~16歳の高校生男女14人が体調不良を訴え、救急搬送されたことが報じられるや大きな話題となった。生徒たちはチップスを食べた後、口や胃の痛み、吐き気などを訴えたが、幸いにしていずれも軽症だったという。

 生徒たちが口にした商品は、茨城県に本社を構える磯山商事が販売する『18禁カレーチップス』。騒動が起きた直後に磯山商事は「お客様はじめ、関係各位に対し多大なるご迷惑をおかけいたし申し訳ございません。一日でも早い回復をお祈り申し上げます」とのコメントを発表している。

 商品の香辛料として使用されている「ブート・ジョロキア」は“世界一辛いトウガラシ”としてギネス世界記録にも登録されており、タバスコの200倍の辛さとも言われている。しかし、『18禁カレーチップス』に使用されているのはあくまでも「ブート・ジョロキア」のパウダーであり、一般的な摂取方法で体調に異変が生じるほどではないという。

「同社は激辛を売りにする“18禁”シリーズを展開していて、カレーチップスは2013年から販売されています。辛い食品は元々ネタとして引きが強いなか、尋常じゃない辛さがダイレクトに口腔及び胃腸を刺激するポテチは話題が話題を呼び、メディアや動画配信者の間で引っ張りだこに。

 商品はヴィレッジヴァンガードのような雑貨ショップにも置かれ、黒とピンクで大きく18禁と書かれたインパクトあるデザインも相まって、若年層の間でも面白がる人が続出しました。16年2月にはYouTuberのヒカキン(35)も『18禁カレーチップス食べたらエライことに。。。【超激辛】』という動画を公開しています」(エンタメ誌ライター)

※画像は「磯山商事」の公式X(旧ツイッター)『@isoyamashoji』より

 動画内で、ヒカキンは恐る恐る少量のチップスを手に取り食べると、その刺激に声を失って倒れ込むほど。やっとのことで起き上がると、涙目で「生きてきたなかで1、2を争う辛さ」「ヤバい。(胃が)焼けている」などと感想を述べ、それ以上は食べるのを中止していた。

 ネット通販Amazonのレビュー欄でも購入者からの声として、

《罰ゲーム的に買いましたが、辛いのを得意とする人たちが悶絶し、体調を崩します。3枚食べたら危険な食べ物。》
《お遊びでもお勧めしません。クラスの半分の人で食べると冬の教室の温度が体感でわかる程上がります》

 など、そのヤバさを訴える声がずらりと並ぶ。

 商品には「18禁! 辛すぎますので、18歳未満の方は食べないでください」「高血圧、体調不良、胃腸の弱い方は絶対に食べないでください」といった警告が10項目にわたって呼びかけられている。

 タバコやアルコール類であれば、当然の様に社会の中で受け入れられている年齢制限。しかし、冷静に考えて、そもそも辛さの“18禁”の根拠とは何なのか。商品を製造した磯山商事に話を聞いた。