日本人にとって国民食と呼んでも過言ではないカレーライス。そんなカレーライスを手がけ、全国に1200店舗ほどを展開する一大チェーンといえば『カレーハウスCoCo壱番屋』(以下・ココイチ)だ。カレー業界の雄であるココイチが、2024年の8月1日より全国一斉値上げをすることを発表したのは7月11日のことである。

「ココイチは19年にも2度の価格改定をしています。直近でも22年の10月と24年の2月に値上げを実施済み。今回の価格変更が19年以降で5度目の値上げとなります」(全国紙経済部記者)

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 ココイチが頻繁に値上げをする背景にはどのような理由があるのだろうか。弊サイトは小売・サービス業界に詳しいコンサルタントの岩崎剛幸氏に話を聞いた。

「原材料の調達価格が上がっているというのが大きな原因だと思います。24年4月の決算説明会では通年で原材料の仕入れ価格が17億円も上昇したと発表。カレーに使用するスパイスだけで1億6200万円も予算が増えているそうです。

 円安もさることながら、燃料高による輸送費の高騰も大きな負担となっているよう。ココイチとしても原価が上がっているので、店舗での販売価格を上げざるを得ないということなのだと思います」(岩崎氏)

 かつてはワンコイン価格だったポークカレーも8月1日からは646円(税込・以下同)となる。ココイチが強気の価格設定を続けられる背景には事情があるという。

「圧倒的な業界1位という店舗数の多さです。ライバルとなるゴーゴーカレーと日乃屋カレーはそれぞれ全国におよそ100店舗。ココイチの国内店舗数は1245店舗(24年2月末時点)で12倍強。同業種に強いライバルが存在しないという状況が、強気の価格設定を後押ししています」(前同)