■「役者がそろった」お笑い評論家も感じた“世代交代の波と粗品の実力”

 お笑い評論家のラリー遠田氏は今回の『27時間テレビ』をどう見たのだろうか。

「昨年の千鳥ダイアンかまいたちよりも今年は少し若い世代の3組が総合司会を担当しました。いずれもさんまさん、ダウンタウンなどの世代よりかなり下ですよね。そして昨年と今年の2つの世代を合わせて、最も勢いがある芸人が『27時間テレビ』の総合司会を務め上げたと言えます。

 お笑い第6~7世代がお笑い界のキーパーソン、メインプレイヤーがいよいよ前面に出てきた、“役者がそろった”といったところですよね。今年の『27時間テレビ』はそれを象徴する番組になったのではないでしょうか」

※画像は『FNS27時間テレビ』の公式X『@fns27htv_fns』より

 今年の『27時間テレビ』で印象に残ったのは粗品の活躍だという。

「番組冒頭でいきなりフジテレビが大谷翔平選手(30)の豪邸を過剰に取材したことをイジったり、深夜の『粗品ゲーム』も芸人の悪口を言ったりと、最近の粗品さんのヒールキャラを活かした企画になっていました。そして、コーナーを1人でしっかり回していたのも印象的でした。

 また、要所要所で『アンチ宮迫』プラカードを出したりとネットニュースのネタになるようなことを自ら仕掛けていって、それが実際にSNSで盛り上がる。そういったことをやりつつも司会の役割もしっかりとこなしていた。

 グランドフィナーレの締めも結局は粗品さんの担当でしたからね。進行役と場をかき乱す毒舌キャラというのは本来、両立するものではないのですが、あの若さでありながら凄まじいテクニックとセンスで両立させていたんです。

 チョコプラの長田庄平さん(44)がちゃんとやる人ですから、粗品さんの横にずっとつき、彼が酷いことを言ったらツッコミに回るというコンビネーションも素晴らしかった。霜降り、チョコプラ、ハナコという3組のバランス、そして個々の能力の高さで、今年の『27時間テレビ』は大きな盛り上がりをみせたのではないでしょうか」(前同)

 今年の『27時間テレビ』をきっかけに、お笑い界で急速な世代交代が起こることになるのだろうか――。