花の都パリを舞台に7月26日(日本時間27日)から熱戦の火蓋が切って落とされるパリ・オリンピック。そんなパリの街で今、熱い視線を注がれているのはフランス北部を流れるセーヌ川だ。

「トライアスロンなどの競技会場となるセーヌ川。実は過去101年間、水質汚染を理由に遊泳が禁止されているんです。イダルゴ市長は開幕9日前となる17日にウエットスーツ姿でセーヌ川を泳ぎ大々的に安全性をアピール。それでも、濁り切った水のセーヌ川で競技を開催することに懐疑的な目を向ける大会関係者は少なくありません」(全国紙五輪担当記者)

 現に、7月23日に毎日新聞が報じたところによると、セーヌ川の水には大腸菌が大阪の道頓堀川の4倍も含まれているという。道頓堀川もセーヌ川同様、現在遊泳は禁止されているそうだが、この記事を読んだ大阪人からはSNS上に、《なんでそこで比較に道頓堀川を出してくんのよ》《まるで道頓堀が日本代表かのような。日本で一番汚いかのような。嫌やわぁ。》と不満の声も上がったのだ。

「道頓堀川といえば、決してきれいとは言えない川の底にカーネルサンダース人形が沈められているイメージが強いですが、近年、水質が大幅に改善されているんです。一般人が遊泳できる基準にはありませんが、大阪湾から琵琶湖へと向かって泳ぐ、鮎の通り道にもなっているとも言われています。

 水面にはハスの葉が浮いていますし、全長10センチほどで綺麗な水辺を生息地に選ぶコウライモロコも泳いでいますよ」(在阪テレビ局社会部記者)

 汚い川の代名詞として扱われがちな道頓堀川。水質改善の背景にはどのような努力があったのか。弊サイトは道頓堀川の水質改善に取り組んだ大阪市建設局河川課の担当者に話を聞いた。

「市の記録によれば昭和30年(1955年)頃から、道頓堀川の水質悪化は問題視されています。戦後、道頓堀川沿いには民家が建てられ、川沿いはゴミ捨て場として使われていました。焦土瓦礫が川へと捨てられ水質汚染も進んだのだそうです」(大阪市建設局河川課の担当者)