とんかつ、生姜焼き、カレー……気温も連日30度を超す真夏に突入し、スタミナ飯が食卓には並ぶこの季節。暑さが続く自宅の食卓で欠かすことができないのは豚肉料理だ。しかし今、豚肉が歴史的な高騰を続けているという。
東京都内でトンテキ店を営む男性が話す。
「豚肉の店頭への仕入れ価格は大幅に上がっています。定番だったロース肉が今まで1キロ・1800円だったのが、2200円に。この影響で生姜焼き定食は900円から1000円に、トンテキ定食は1200円から1300円に値上げさせていただきました。
豚肉に限らず、円安や燃料高の影響からか野菜類なども全体的に値上がりしていてキツい。こちらも泣く泣く値上げといった状況です」
実際に豚肉を育てている養豚場の実情はどのようになっているのか。弊サイトは宮城県にある株式会社ヒルズで、養豚場を営む相馬利也さんに話を聞いた。
「豚肉の価格は市場における需要と供給の関係で決まります。一般的に豚肉は、夏場の供給量が少なく出荷量は9月頃から増えてくる。市場への供給量が増えれば価格は下がります。今の時期は元々、豚肉の価格が高くなりがちなんです」(相馬さん)
例年通りであれば今後、秋へとかけて豚肉の価格は落ち着いていくことが予想される。しかしながら、一抹の不安もあると、相馬さんは話す。
「昨年の夏は猛暑で、10月頃まで気温が下がらなかった。気温が下がらないと豚の発情時期が遅れるため、種付けがうまくいきません。現在の豚肉価格高騰の背景には、昨夏の猛暑が長引いたことによる子作り失敗、出荷頭数減少も影響しています」(前同)