■『海のはじまり』と同じところと違うところ

「シングルファザーと年上女性の恋愛ドラマと思いきや、実は家族のあり方が裏テーマとして置かれています。この点でも『海のはじまり』と共通しますが、すれ違いが続き、重い展開となっている『海のはじまり』と違い、本作はすれ違いながらも、ちゃんと互いに向き合い、温かな関係を構築しています。支持されているのは、全体に漂う、この優しい雰囲気なんでしょう」(ドラマライター/ヤマカワ)

 楠見の4歳の娘・ルカ(倉田)も、ノビノビと子どもらしくふるまい、それに癒やされている視聴者も多いようで、X上では《楠見くんと西園寺さんの合間に挟まれるルカちゃんの子ども感が大変いい空気で、仕事終わりに見ても疲れない》などの声が。子役もまた、『海のはじまり』と大きく違うようだ。

「本作でルカを演じる倉田も、『海のはじまり』で海を演じる泉谷星奈(7)も、演技は素晴らしいんです。ただ、海は子どもではありながら、物語の象徴のように大人たちの事情に組み込まれていて、素直に子どもとして見られない。一方、ルカは、大人たちの思惑とは無縁の自由な存在としているので、ドラマの持つ温かさがより増しています」(前同)

 しっかり構えて見る月曜日の『海のはじまり』と、のんびり楽しめる火曜日の『西園寺さんは家事をしない』。その違いは、幼い子どものふるまいに大きく表われているようだ。好調という点でも共通している2作品。今後、どのような家族のあり方を描いていくのか注目したい。