「音鉄」という言葉をご存知だろうか。

「近年、駅の発車メロディ、通称“駅メロ”に人気アーティストの楽曲やアニメ主題歌を起用する動きが盛り上がっており、その“音”を楽しみに駅を訪れる鉄道マニアが増えているんです」(旅行情報誌ライター)

 今年、話題になった発車メロディといえば、西武池袋線清瀬駅(東京都)で流れる中森明菜(59)の大ヒット曲だ。

「開業100周年を記念して、2024年6月11日から、上りの1、2番ホームで『DESIRE―情熱―』、下りの3、4番ホームで『セカンド・ラブ』がそれぞれ流れています」(前同)

 清瀬は明菜の地元。発車メロディ起用はファンにとっても嬉しいニュースとなった。こうした話題の発車メロディは他にも。

 ぜひ現地で聞きたい音鉄に人気の駅を紹介しよう。

■乃木坂46 vs AKB48の発車メロディ対決

 東京メトロ千代田線の乃木坂駅(東京都)で流れるのが、乃木坂46の『君の名は希望』。これはもちろん、“乃木坂”つながりでの起用だ。

 また、AKB48の拠点である秋葉原では、発車メロディとして同グループの代表曲が聴ける。東京メトロ日比谷線秋葉原駅(東京都)で、“神曲”と名高い『恋するフォーチュンクッキー』が流れるのだ。

乃木坂46の1期生 ※写真/編集部

■茅ヶ崎駅で流れるのはやっぱりサザン

 連日猛暑日が続いているが、この季節に一瞬の涼をくれそうな曲がJR茅ヶ崎駅(神奈川県)で流れているサザンオールスターズの『希望の轍』だ。

「1990年に公開された桑田佳祐が監督した映画『稲村ジェーン』の主題歌で、茅ヶ崎市の署名運動により実現したものです」(前出の旅行情報誌ライター)

 各地で花火大会も盛んに行なわれているが、JR大阪環状線天満駅(大阪府)の発車メロディはaikoのヒット曲『花火』だ。

「aikoが大阪出身であることと、大阪天満宮で夏に開かれ、奉納花火も行なわれる天神祭にちなんでのことです」(前同)

 そもそも大阪環状線は、2014年3月から、JR西日本の「大阪環状線改造プロジェクト」の一環として、駅ごとに異なる曲を導入。

「天王寺駅は近くにある四天王寺に鐘があることとから、地元区出身の和田アキ子の代表曲『あの鐘を鳴らすのはあなた』、大阪駅は大阪を愛したやしきたかじんの代表曲『やっぱ好きやねん』が流れます」

aikoの『花火』が流れる『天満駅』近くの大阪天満宮 ※写真/編集部