■俳優陣の“大人の演技”が好評

 ルカのキャラクターには、

《るかちゃんがちゃんと子供らしいのがとてもよい‥ 「子役」じゃない‥!》
《えまちゃん、お芝居めちゃ上手なのに子役の変に大人びたところがなくて唯一無二の逸材では》

 といった声が多く寄せられている。加えて第4話でルカは、“西園寺さんと楠見が仲良くなる=死んだ母親以外を好きになって欲しくない”ということで悲しくなってしまい、西園寺さんに「パパのことを好きにならないで」と泣きながら懇願する場面を好演。可愛いだけでなく、“役者”としてもやはり凄いと話題沸騰だ。

 次に『西園寺さん』が大人気の理由は、“大人な俳優陣”にありそうだ。

「全体的にキャスティングが大人ですよね。主演の松本さんが40歳ですし、津田さんはイケおじの53歳。経験豊富で演技の引き出しが広く、シリアスでもコメディでも完璧です。

 松村さんは29歳で若い方ですが“フレッシュな若者”という感じのキャラクターではないし、旧ジャニーズの人気タレントではなく、イチ俳優として認められている存在ですよね。もちろんイケメンですが、芝居の際はキラキラ感を消して、地に足のついた本当に身近にいそうな青年を演じることができる。『西園寺さん』でも、それがいかんなく発揮されています」(前出のテレビ誌編集者)

『西園寺さん』の俳優陣の演技には、絶賛の声が多数寄せられている。

《松村北斗くんの演技力の高さに毎回感動。今回は恋の要素があって西園寺さんと距離が近いシーンもあったけど変ないやらしさが無くて一人の人間としての楠見という人間性が滲み出てた》
《松本若菜さんはシリアスな演技もホラーな演技もコメディエンヌも薄幸な人もしっかり演じる安心感》
《津田さんはもちろんだけど松村くんの演技が自然で素敵》

※画像は『西園寺さんは家事をしない︎』の公式X『@saionjisan_tbs』より

 最後に3つ目の理由は、圧倒的な共感度の高さを誇るシナリオと、ドラマの敷居の低さにあるようだ。

「月9ドラマ『海のはじまり』は、しっかりとした脚本で丁寧に描かれている良質なドラマではありますが、シングルファーザーの育児の話だけでなく、中絶や子宮頸がんなど非常に重いテーマを扱っているドラマでもあるため、ライト層が気軽に楽しめる作風ではありませんよね。

 その点、『西園寺さん』は公式に“ハートフルラブコメディ”と銘打っていて間口が広い。そしてシナリオは決して浅くなく、むしろ深い。『火曜ドラマ』は女性層を意識した作品が多いですが、『西園寺さん』は、現代の働く女性がとても共感できる作品ですからね」(前同)

 母親が家事に疲れ果てて家を飛び出してしまったのがトラウマで、家事が嫌いになってしまった西園寺さん(松本)。シングルファーザーとしてどこか意地になってしまい、素直に周りに助けを求められなかった楠見(松村)など、現代のリアルなテーマがバランスよく散りばめられている。