■「普通の家族」に対する意見も話題に

 それでいて、空気が重くなることもない。7月30日の第4話では、保育園の保護者が「普通じゃない“偽家族”」を理解してくれるのか西園寺さんが悩む話だったが、いざ話してみると保護者は連れ子の母親や、妻が単身赴任で実家で子育てしている夫、さらに子持ちの同性カップルなどさまざまな人たちがいて、西園寺さんの「偽家族」もすんなりと受け入れられたのだ。

 保護者と交流を深めた帰り道、西園寺さんと歩く楠見は「本当は”普通の家族”なんて存在しないんじゃないか。なのに僕らは、その存在さえもしないものに振り回されてしまう」という金言も残している。

《理解のないひとたちを登場させて話をこじらせるんじゃなくて、理解のあるひとたちを登場させてドラマを見ている「普通じゃない」ひとたちのこともあなたは何にもおかしくないよ、と肯定してみせる。ここには優しい世界、がある。私、このドラマ、大好きだ》
《ラブコメらしい無理のある設定なんだけど、育児や会社、ママ友の解像度がすごく高いので、観ていてとても楽しいし共感できる!! そう、ママ友ってこんなかんじ!こどもってこう!!って思う。世のコメディは今後これを見本にしてほしい》
《登場人物それぞれの心の機微が散りばめられていて笑いもするし共感するし泣きもする、誰も何も否定しない優しさと誠実さの中で、大人も子供もそれぞれが幸せであろうとする姿が毎回私にも大事なことを思い出させてくれる。最高のドラマ過ぎて一生終わって欲しくない》

 といった共感の声が多く寄せられ、第4話は大好評だった。

※画像は『西園寺さんは家事をしない︎』の公式X『@saionjisan_tbs』より

「そして並行して、西園寺さんと楠見の年の差ラブコメも繰り広げられると。現時点では西園寺さんが一方的に意識している空回りぶりが面白いですが、8月6日の第5話では恋心を断ち切りたい西園寺さんが“上書き彼氏”を作ろうとマッチングアプリを使うなど、話が大きく動きそうです。

 演技派が揃った俳優陣と作り込まれた脚本によって多くの視聴者の共感を呼んでいる『西園寺さん』。今後も今夏の良質ドラマの代表格として、盛り上がりをキープしていくのではないでしょうか」(前出のテレビ誌編集者)

 リアルな子役と大人な俳優陣、そしてよくできた脚本――『西園寺さんは家事をしない』が24年夏ドラマの“裏主役”となったのは必然なのだろう。