■視聴者離れは一時では済まない

 7月30日、松本若菜(40)主演の『西園寺さんは家事をしない』(TBS系/夜10時~)の裏では、NHKが『自転車 男子BMXフリースタイル・予選』(夜10時~)、日本テレビが『柔道決勝直前!大会5日目ハイライト』(前同)を放送。

 7月31日は、小池栄子(43)と仲野太賀(31)がダブル主演するドラマ『新宿野戦病院』(フジテレビ系/水曜夜10時~)の裏でNHKが『バレーボール 男子予選日本×アルゼンチン』(夜10時~)と『ハイライト』、日本テレビが『自転車BMXフリースタイル男女決勝』(夜8時~)を放送していた。

※画像は『新宿野戦病院』の公式X『@shinjyuku_yasen』より

 結果、『西園寺さん』の世帯視聴率は前週(23日)の6.7%から5.9%までダウン。『新宿野戦病院』も前週(24日)の6.4%から5.7%と数字を落としている。

「パリ五輪は8月12日の閉会式まで――つまり今夏の連ドラはもう1週、パリ五輪を相手にしなければいけないのですが、それだけではありません。

 というのも、連続ドラマは1話でも見逃したら視聴意欲が薄れてしまうもの。単純計算で2話見なければ、見逃し配信はともかくリアルタイムで視聴する人はかなり減るでしょう。視聴習慣が失われるというのもあるからですが、“パリ五輪が終われば元通り”とはならないと考えられます」(前出の制作会社関係者)

 録画機能つきテレビの普及や見逃し配信サービスの普及により、リアルタイムでテレビ番組を視聴する人はどんどんと減り続けている。X(旧ツイッター)でトレンド入りするほど注目されたり、TVerで圧倒的な再生数を叩き出しているのに、リアルタイムの視聴率が低調のドラマは珍しくない。

「最近はドラマが好きな人もリアルタイムではなく、好きな時間に見逃し配信で視聴する人が多い。それだけに、数字を取るには普段ドラマを見ないようなライト層の確保も求められているところもありますが、そういうライト層はホットな五輪に流れてしまい連ドラは見てくれないと。

 ただでさえ毎クール、少しずつ視聴率は低下しつつある。テレビの危機、ドラマの危機と言われている昨今ですが、今回の日本人選手のメダルラッシュのパリ五輪にトドメを刺されるようことにならないか、心配ですね……」(前同)

 リアルタイム視聴者数が日に日に低下していっている地上波連続ドラマ。盛り上がるパリ五輪とは逆に、厳しい時を迎えているようだ。