■「美容」を求めている視聴者に刺さりやすい内容

 たとえば、6月11日放送回では大阪公立大学大学院理学研究科生物化学専攻の笠松真吾准教授が「超硫黄分子」を紹介した。超硫黄分子とは、脂肪燃焼や強い抗酸化作用を持つ――つまり、シミ・シワの予防といった美肌効果など、多くの面で人体に有益な分子のこと。

 最新の研究により、ブロッコリースプラウトには大量の超硫黄分子が含まれていて、しかもがん細胞を殺す作用のある「スルフォラファン」という成分も含まれていることを解説。だが、いたずらにメリット面を言うだけでなく、ブロッコリースプラウトを食べすぎると体内の有益なバクテリアも殺してしまうため“過剰摂取はNG”と具体的な数字つきでの注意喚起も行なっており、そういう意味でも安心して自身の生活に取り入れてみたくなる内容となっていた。

 最新の8月6日放送回も、「夏休み特別企画」と題して日本人が愛する2大シーフードのタコとイカの知能や個性を徹底的に掘り下げていく内容だと予告されているが、予告動画では「タコに老化予防効果を新発見!」とあるほか、番組表サイトのラテ欄には 《【美容成分】昨年発表!タコの○○で8歳長生き!?若返りビタミンにヤセ効果…イカは○○で食べるべし!》という一文も。やはり「美容」を求めている視聴者に刺さりそうな内容となりそうだ。

※画像は『カズレーザーと学ぶ。』の公式X『@kazutomanabu』より

「いつまでも、美しく若々しく、健康でいたい。ママ層を中心に世の人々にとって普遍的な願望ですが、『カズレーザーと学ぶ。』はそのツボを上手に押さえていると言えそうです。

 “不老不死”とか“○歳若返る”といったキラーワードも多いし、内容も大学教授など専門家がしっかりしたソースつきで解説してくれて分かりやすい。カズレーザーさんのMCも、お笑い要素はありつつも変に茶々を入れる感じではなく、専門家の意見をより掘り下げたり、新しい視点で斬りこんだりと知的好奇心をくすぐるものになっています。

 最新の研究や商品、知識を特集しながら、それをうまく“美”に絡めてくる同番組に、30代以降の女性層が盛り上がっているというのは、自然なことなんでしょうね」(テレビ誌編集者)

 最強のニュース番組『報道ステーション』を食う『カズレーザーと学ぶ。』。パリ五輪の放送中も、美を追求する女性層は同番組にチャンネルを合わせるのかも。