■元キー局Pが告白「立件されない限り扱わないのが暗黙の了解」だった

 元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏は、タレントのマネジメント体制がジャニーズ事務所からSTARTO ENTERTAINMENTになってから、事務所の姿勢が大きく変わったと指摘する。

「週刊誌がスキャンダル報道をする場合、締め切りまでに事実確認として事務所に内容の真偽を尋ねるんですよね。そのときに事務所サイドは“こんな報道が出るんだな”ということを把握するわけです。

 これまでジャニーズ時代では、スルーするか、“事実確認中”としてごまかす、あるいは否定・抗議するなど、一旦抵抗したものです。ところが、STARTO社は先手を打って謹慎させた。報道に先回りして本人が出演自粛をするとなれば、カメラの前で謝罪させられることもないし、出演番組で針のむしろになることもありません。タレントを全面的に守った形で、危機管理体制としてはかなり進んでいると思います。

 今回のケースで、中丸さんの傷が浅くて済むということになれば、他の事務所のモデルケースにもなり得ると思います」(鎮目氏)

 そして、鎮目氏によると、ジャニーズ事務所時代は「テレビ番組では、立件されない限り扱わないのが暗黙の了解」だったという。

「他の事務所のタレントであれば、スキャンダルにガンガン突っ込んでいたけど、ジャニーズタレントの場合、公式に事務所からコメントが発表されない限りは“独自で裏をとれないからやらない”という理屈で、見て見ぬふりでした。その意味では、今回、中丸さんの話を扱わないとしたテレビ局のスタイルこそは“変わっていない”と言えますね」(前同)

『シューイチ』からの公式発表はまだないが、公式サイトの出演者欄からは中丸の名前や写真が消されている。4年前、同番組で東出に対して厳しい意見を放っていた中丸。“ブーメラン”が叫ばれる事態となっているが――大々的に報道が出る前の謹慎は奏功するのだろうか。

鎮目博道
テレビプロデューサー。92年テレビ朝日入社。社会部記者、スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」初代プロデューサー。2019年独立。テレビ・動画制作、メディア評論など多方面で活動。著書に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)