■電車内でスマホを落としたら

 次に、落としてしまった際にすべきことを聞きたい。

 筆者は、電車内でスマホを紛失したが、結果、親切な人が駅員に届けてくれていた。スマホはどのようなルートを辿ったのか。

「まずは駅に届けられる。次に遺失物センターに行って、そこでしばらく取りに来なかったら、今度は警察に届けられます。警察はSIMカードを抜いた上で、スマホの通信会社に連絡を入れるんですね。そして、落とし主のところにハガキで連絡が届く。この流れで、最短でも5日くらいかかります」

東京メトロの忘れ物取扱所 ※画像はphotoAC
東京メトロの忘れ物取扱所 ※画像はphotoAC

 スマホをなくした筆者は当時、別の電話から自分の番号に電話をかけたが、繋がらなかった。充電は十分にあったはずなのに……。

「今は、落としたスマホが駅員に届けられたとしても、電源を切る、または鳴っても出ない対応がデフォルトになっているんです。昔は自分の電話番号にかけると、“今、こちらでお預かりしています”なんて、出てくれることもありました。でも今は個人情報の問題が騒がれているし、誤って別の第三者に渡してしまうリスクもありますから」

 電源が切られていたからといって、「盗難に遭った」と結びつけるのは早計かもしれない。

 もうひとつ、「財布を落とした場合にすべきこと」。財布にはクレジットカードや身分証など、重要なものがびっしり。

「やはりクレジットカードなどは悪用リスクを考えると即停止したほうがいいです。最近のクレジットカードは、会社によって“一時停止”することもできますし。もちろん銀行カードやスマホに入っている支払機能も停止させるのが望ましい。あと忘れてはいけないのは、運転免許証。実は免許証も本人になりすましてお金を借りたり、被害が数多く報告されているのです」

 なので、免許証もなるべく早く再発行すべきだ。

 また、財布に“テクノロジー”を忍ばせる方法もある。

「弊社でも財布に入れる忘れ物防止タグ『MAMORIO』を発売しています。百円玉くらいの大きさのデバイスで、財布の中に入れておけば、スマホから位置情報を検出できます」

 どんなに用心しても、ヒューマンエラーは避けられないもの。ゆえに、備えが肝心だ。