■ニノの『ブラックペアン』を猛追

 X(旧ツイッター)は、楠見を演じる松村が見せた複雑な感情が入り混じる涙、泣ける演技への絶賛の声で大いに沸き、

最愛の人が亡くなっても 目の前には幼いルカちゃんがいて 仕事に家事に育児に全部一人で抱えてきたんだもんなぁ。男と女、よりも先にそんなときにただ手を差し伸べてくれた西園寺さんに楠見くんはどれだけ救われたんだろ。泣ける》
《北斗が出るから楽しみにしてたドラマだけど、物語に集中しすぎて涙する「楠見くん」の気持ちに共感して一緒に泣く。でも西園寺さんの気持ちもわかってまた泣く。すごい。2人の演技がすごい》
《北斗の感情がごちゃごちゃなお芝居がリアルでめちゃくちゃ共感した ただ聞いてほしい、ただ話したいその相手が西園寺さん奥様をずっと心に置いてもう先に進んでいいんだよあーもぅ松村北斗が泣いたらこっちも泣くんだよ!》

 といった、共に涙する声が多く寄せられている。

「松村さんはSTARTO社タレントでもトップクラスの演技力を誇りますが、『西園寺さん』の楠見や、今年2月に公開された上白石萌音さん(26)とのダブル主演映画『夜明けのすべて』で演じたパニック障害を抱える青年・山添くんなど、等身大の、自分を追い込んでしまう不器用な青年の役が抜群に上手い。『西園寺さん』の第8話でも、自分で言葉がまとめられなくて抑えきれず涙してしまう、非常に難しいシーンを好演していますよね」(テレビ誌編集者)

 松村は、カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した『怪物』の脚本家・坂元裕二氏に(57)よる松たか子(47)主演の2025年2月公開予定の映画『1ST KISS ファーストキス』で、松と夫婦役を演じることが発表されているほか、25年1月クールにもドラマ出演が決まっていると一部で報じられている。

「松村さんは人気アイドルとしてではなく、俳優としての演技力の高さから、業界で引っ張りだこですよね。『西園寺さん』は初回から毎回、“共感した”という感想を抱く視聴者が続出していますが、これも秀逸な脚本に加えて、松村さん、主演の松本さんの高い演技力あってこそですよね」(前同)

※画像は『西園寺さんは家事をしない︎』の公式X『@saionjisan_tbs』より

『西園寺さん』はアラフォーで家事嫌いの西園寺さん、育児に追われて無意識に自分を追い詰めていた楠見を中心に、視聴者の共感を呼ぶ描写が実に丁寧に重ねられている。

「多くの視聴者の心をつかみ、今期の連ドラのダークホース的な存在だったのが、ドラマのファンがどんどん増えています。現在放送中の夏ドラマでは共感度1位と言っても過言ではない作品として評判ですが、いよいよ視聴率でもトップに躍り出そうな気配を見せています」(制作会社関係者)

 現在のテレビ界は13~49歳のコア視聴率を最重要視している。7月クールの連ドラは全体的に低調だが、二宮和也(41)主演の『ブラックペアン シーズン2』(TBS系/日曜夜9時~)が今クールのトップの座にあり、8月25日に放送された第7話は、コア3.3%だった。

 その一方で『西園寺さん』もコア視聴率は好調で、『ブラックペアン』の第7話と同週に放送された第7話(20日)はついに3.2%に突入。『ブラックペアン』を追い抜きそうな勢いなのだ。

「物語は終盤に入り、西園寺さん(松本)、楠見(松村)、横井(津田)の三角関係も本格的に動き始めています。第9話(9月3日)は“西園寺さんと横井さんが結婚するかも”という噂を聞いた楠見が混乱して謎発言と謎言動を繰り返すと予告されている。予告では西園寺さんを怒らせてしまいオドオドしている楠見の姿もあり、8話とは逆の松村さんのコミカルな演技を楽しめるかもしれません」(前同)

 視聴者の評判、そして視聴率ともに2024年の夏ドラマナンバー1の作品になりそうな勢いの『西園寺さんは家事をしない』。俳優・松村北斗の代表作のひとつとなりそうだ――。