■十分にある二宮和也のひとり二役

 第7話は、全日本医学会会長選で佐伯(内野)があっさり勝利するなど、正直、これまでに比べて大きな盛り上がりはなかった。毎回のように公開手術が行われ、天城(二宮)が維新大の連中を欺くという展開もワンパターンで、平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は、前回から0.6ポイント減で10.9%に下げている。

 ここからの終盤で大きなヤマを作るなら、やはり渡海の再登場しかないだろう。次回予告での渡海の出演がミスリードで、やっぱり渡海は出ないとなったら、さすがにそれはヤリすぎ。視聴者もあからさまな話題作りに怒り出すのでないだろうか。

 視聴者の考察の中で多いのは“天城と渡海の双子説”で、なんらかの事情で離れ離れで暮らしていたというもの。実際、第7話での天城の回想で、子どもが2人、手を繋いで歩くシーンがあり、これが幼いときの渡海と天城ではないかという声が少なくない。

 もし渡海が登場するとして、どういう展開になるのか? 物語の盛り上がりを考えると、2人が一緒に手術をするのはどうだろう。今回の佐伯の「エルカノ」の遠隔操作はそのための伏線で、双子の天城と渡海が、2人に関係のある人物を力を合わせて救う……。これならば、下降線の視聴率も一気に跳ね上がることは間違いない。

 ずいぶんトンデモなラストにも思えるが、シーズン1の第9話でも、手術支援ロボット「カエサル」を遠隔操作する渡海が、高階(小泉孝太郎/46)に指示しながら佐伯式を行うという、二人羽織のような手術をしていたので、あながち“ない話”でもないだろう。次回以降、渡海の再登場はあるのか、注目したい。(ドラマライター/ヤマカワ)