■見逃しの数字は好調だがリアルタイムの数字は…

 前出の制作会社関係者は続ける。

「『海のはじまり』は毎回、映画のような映像が素晴らしく美しいですし、深く考えさせられるシナリオは、ドラマ好きの間では評判の良い作品です。そのため見逃し配信での数字は好調なのですが、リアルタイムの数字は決して高いとは言えない状況にありますね」

『海のはじまり』の見逃し配信・TVerでのお気に入り登録者数は、193.0万人(9月2日16時現在、以下同)。7月クールのドラマで1位であり、2位で登録者数124.8万人の二宮和也(41)主演作『ブラックペアン シーズン2』(TBS系/日曜夜9時~)に大きく差をつけている。

 8月7日には、第1話~第5話およびTVer限定スピンオフドラマ『兄とのはじまり』(全4話)の見逃し配信が、累計3000万再生を突破したとも発表されている。

 その一方で同作は、恋人の死や妊娠や中絶といった重い内容を扱っているため、早々に離脱した視聴者も多かったとも言われている。

《海のはじまり自体が結構重いドラマで、私は早々にリタイアしたんで、演じる人たちはもっとなんだろうなと思う》
《月9、毎回序盤見てて思うのは何でこんな重い内容のドラマをフジテレビは視聴者にお届けしようと思ったのかってなります》

 といった声も多く、リアルタイムで連ドラを視聴する“ライト層”は定着しなかったようだ。

※画像は『海のはじまり』の公式X『@umi_no_hajima』より

 ちなみに同クールで、同じシングルファーザーを題材にした松本若菜(40)主演、SixTONES松村北斗(29)がお相手役の『西園寺さんは家事をしない』(TBS系/火曜夜9時~)が放送中だが、こちらは第7話(20日放送)のコアは3.2%と好調。『海のはじまり』と比べると明るい作風であることが影響していると思われる。

「目黒さんが直接、報道を否定していることからも現場の雰囲気は悪くないのでしょうが、事実として、ドラマ撮影の多忙さもあって目黒さんは体調不良になってしまったし、ドラマの数字も良くないと……。

 多くの人が見てくれる素晴らしい作品にしようと頑張ってきたスタッフや目黒さんら出演者にとっても、低迷する“月9枠”を勢いづかせるような高視聴率に期待していたフジテレビ上層部にとっても、そして『silent』のような輝きがある作品を期待していた視聴者にとっても――不調やトラブルが言われる現状は、望んでいた状況ではありませんよね。

『海のはじまり』は目黒さんにとって初の月9ドラマ。過酷な夏になってしまいましたが……最後まで座長として無事駆け抜けてほしいですね」(前同)

『海のはじまり』は特別編を除き全12話だと公式に発表されているため、9月2日の第9話を含めて残り4話。ここから巻き返せるか――。