■レプリコンワクチンに言われる懸念

 実際、以下のような‟懸念”があるといわれている。 

 (1)接種者の飛沫から非接種者に感染する恐れがあり、これに対する臨床実験もなされていない。 
 (2)自己増殖に歯止めが効かなくなり、永久にスパイクタンパクのトゲトゲが生産され続ける恐れがある。 
 (3)そもそもmRNAが人体の遺伝情報に影響を及ぼさないという確証がない。 

 これに対し、予防医学の専門家で『新型ワクチン騒動を総括する』(花伝社刊)などの著書がある新潟大学名誉教授の岡田正彦氏が、こう説明する。 

「mRNAワクチン接種後、呼気や唾液から排出されるスパイクタンパク質は極めて微量で、それを周囲にいる人が吸引したとしても、すぐに分解されてしまい、感染が成立するリスクはゼロに近いと思われます。実験が行なわれていないので断言はできませんが、この点に関してだけ言えば、従来のmRNAと同じではないでしょうか?」

 こう述べる岡田氏だが、そもそも、従来のmRNA型ワクチンに関しても疑問だらけだとして、こう言う。

「ワクチンの有効率について95%以上と報告されていましたが、実際はどうでしょう。多くの人が心配してきたのは、mRNAという遺伝子を体内に入れて大丈夫なのかということです。この点を調べたデータは多数あるんですが、一般に知られていません。

 そんな中で、これに‟自己増殖”という新しい機能を加えたワクチンですからね。もっと治験や実証実験を行なうべきです。いずれにしても、このようなワクチンは使用すべきでないというのが私の見解です」

 5類に移行して騒がれなくなったものの、現在も感染が流行しているといわれる新型コロナ。新型ワクチンにさまざまな面から注目が集まる――。

岡田正彦
新潟大学名誉教授。医学博士。1946年京都府に生まれる。1972年新潟大学医学部卒業。1990年より同大学医学部教授、医学博士。米国学会誌 IEEE Transactions on Biomedical Engineering副編集長、学会誌『生体医工学』編集長などを務める。1981年新潟日報文化賞、2001年臨床病理学研究振興基金「小酒井望賞」 受賞。専門は予防医療学、長寿科学。