群雄割拠のコンビニ業界。季節ごとに新商品が発売される一方で、商品棚から姿を消す品物も少なくない。そんな熾烈な業界で7年ぶりに東京都と千葉県、埼玉県の店舗の商品棚へ復帰したのはセブンイレブンのドーナツだ。

 セブンイレブンの広報担当者が答える。

「2017年にも一度、セブンイレブンではドーナツを発売しています。当時は工場でドーナツを揚げて、お店ではケースの中に入れるだけ。一方、今回はお店でドーナツを揚げることで、お客さんにはより出来立てに近い食感を味わってもらえるように改良しました」

 7年ぶりに店舗でドーナツの発売を再開させた背景には、21年6月から発売を開始した『お店で揚げたカレーパン』(税込み・160円・以下同)の成功があるという。

「23年の1月から12月の間に全国の店舗で合計7698万7667個のカレーパンが売れました。今年の7月には“最も販売されている揚げたてカレーパンブランド”として、ギネス世界記録にも認定されたほどです」(前同)

セブンイレブンの『お店で揚げたカレーパン』 ※撮影/編集部

 このカレーパンを作るにあたって、セブンイレブンでは従来の商品とは製造方法を大きく変えている。

「工場でパン生地と中身のカレーを作ります。パン生地の中にカレーを入れて冷凍したら店舗へ出荷。お店にある什器(フライヤー)で揚げてから、お客さんには商品をご提供しています」(同)

 この商品が多くの消費者から好評を博す。セブンイレブンでは店舗で揚げた商品を消費者へ提供するこの仕組みをドーナツにも応用できるのではないかと、考えたというのだ。

「近年ではドーナツ専門店も街中に多くできています。市場のニーズがあるのではないかということで、7年ぶりにメープル(140円)、チョコ(160円)カスタード(160円)の3種類のドーナツを店舗で発売することにしました」(同)