■「女子アナは花形職業」は昔の話

 昨今、アナウンサーという職業に変化も生じている。アナウンス業務はAIで代用できる時代が到来しつつあるのだ。

 NHKのニュース番組ではすでに音声合成技術「AIアナウンス」が導入されている。この技術は記者の作成した原稿を、自然に聞こえるようにアクセントや間の位置を調整するAIの「言語処理」、人工の声が読み上げるAIの「音声生成」を組み合わせたものだ。

「民放でも“AIアナウンス”の導入がより進めば、もうニュース原稿を読むだけのアナウンサーはいらなくなってきますよね。ニュース番組はAI任せに、そしてバラエティ番組には視聴率を持っているタレントを使うということですよね。

 現在はタレントでもMCや進行をしっかりこなせる人もいます。『Nスタ』(TBS系)のホラン千秋さん(35)がその代表例ですよね」(前出の制作会社関係者)

 ホランは2017年4月から『Nスタ』にキャスターとして出演中。バラエティ番組にも引っ張りだこで、『出川一茂ホラン☆フシギの会』や『ザ・ニンチドショー』(ともにテレビ朝日系)などのレギュラー番組を抱えているほか、5月18日にヒロミ(58)とともにMCを務めた特番『女のTHE共通テン』(フジテレビ系)が10月からレギュラー化する。

「番組を担当するディレクターやプロデューサーは、当然ながら自分の番組を成功させたいという思いが強い。ですので、仕事が拙い、また人気がない女子アナを起用することを避ける。だから、水卜アナのような人気アナウンサーに仕事が集中してしまうんです。水卜アナのようなアナウンサーが使えない場合は、ホランさんのような“できるタレント”にオファーし、MCや進行をやってもらうと。そうしてますます女子アナの活躍の場はなくなっていきます」(前同)

 仕事ぶりが評価されておらず、視聴者からの人気も獲得できていない女子アナは、局のアナウンサーでい続けることが難しい時代なのだ。

「そして、女子アナはテレビ局の社員ではありますが、タレントと同じように見られますし、パパラッチに狙われたり、時にはSNSでバッシングを受けることもある。そんな大変な思いをしているにもかかわらず、給料もそこまで高くない。別部署の同期よりも安いわけです。

 これまで花形の職業として憧れの対象だった民放局の女子アナですが、今や昔の話。今後はなり手が減っていくでしょうし、将来的には局アナという職業がなくなっていくと考えるテレビマンもいるほどですよ」(前同)

 テレビ各局からの女子アナ退社ラッシュは、今後も続くと見られている。