■各社自慢のハイスペック車

 排ガス規制の影響はあるものの、変わらず身近な存在であり続ける50cc原付バイク。そこで最後に、小林氏がオススメする“名車”について教えてもらった。

 まずは、すでに生産は終了してしまっているが、中古車として今なお高い人気を誇っている『ホンダNSR50』だ。

「根強い人気の2スト・ミッション車です。本当に50ccなのかと疑いたくなるくらい“本格派”ですよね。1980年代後半から90年代初頭にかけ、レーサーレプリカやミニバイクレースブームの火付け役となりました。街中を走るのも気持ちいいですけど、ハンドリングが抜群なので、サーキットで楽しむのもオススメです」

 NSR50が登場したこの時期、各社のマシンスペックが急激に上昇。ヤマハとホンダ、スズキによる“三つ巴”の技術競争が勃発したという。そこで登場したのが、同じく小林氏が薦める『ヤマハJOGZR』、『ホンダライブDIO』、『スズキZZ』などだった。

「今の原付バイクでは考えられないほどの馬力がある。デザイン的にもホイールが金色だったりして、少しヤンチャで若者受けするテイスト。高性能でもあるので、程度のいい中古車を見つけたら購入を検討してみては」

 ぜひあなた好みの1台を楽しんでほしい。

小林ゆき(こばやし・ゆき)
モーターサイクルジャーナリスト。「足つきインプレ」で知られる動画のバイク試乗インプレや、長年通い続けるマン島TTレース取材、また鈴鹿8耐のチーム監督経験や自らレース参戦、ツーリングなど、多方面で活動している。