■広島生まれの作者が最後に描いた“戦争”
広島で生まれた作者は戦争で原爆の被害を経験している。最終巻である『ズッコケ熟年三人組』では、
「執筆前に広島で大きな土砂災害がありました。このニュースを受けて、登場人物たちが災害から立ち上がる姿を描きました。作中、小学校の先生であるハカセが生徒を気にかける様子は、作者が子供の頃、被爆したときに教え子を捜して歩いた父親の記憶とかぶせて描いたようです。ズッコケシリーズでは、戦争のことは描かないと決めていたんですが、最後はそういった形で戦争を描かれたのかなと思うんです」(前出のポプラ社編集担当の門田氏)
一緒に育ってきた同世代だからこそわかる悩みや、ホッとするエピソードが満載の本シリーズ。手に取りやすい機会も、もうすぐ来るという。
「9月17日より全巻が電子書籍として配信されます。ズッコケ三人組を読んでいても、中年シリーズを知らない方もまだ多いので、この機会に是非!」(前同)
読書の秋、僕らと同じように大人になった彼らに会いに行こう!