■『ちむどんどん』の影響か

 朝ドラはあくまでもフィクションだが、あまりにも時代考証が雑だと視聴者もシラケてしまうところはあるだろう。

 最近の作品では、黒島結菜(27)主演で主に1970~80年代を描いた『ちむどんどん』(22年前期)が時代考証、演出や脚本の甘さに猛ツッコミが入ったこともあった。それを引き合いに出した、

《ちむどんどん臭がする。 あまりにも金髪がツヤツヤしていて仮装感がすごい》
《なんか ちむどんどん臭が するのは 気のせいかな》

 といった声も、今回の橋本のギャル姿には寄せられている。

「確かに『ちむどんどん』の前例はありますが……さすがにNHKも当時の荒れ具合は記憶しているでしょうし、『おむすび』は視聴者にとって身近な“平成”を描く作品です。それだけに、視聴者に違和感を感じさせない、しっかりした時代考証を行なっているのではないでしょうか。

 今回、ツッコミの声が上がっている橋本さんのギャル姿に関しても、登場人物の設定やあらすじから察するに、本当に“仮装”の可能性が高いんですよね」(芸能プロ関係者)

『おむすび』とギャルを巡っては、主人公・結の姉・歩を演じる仲里依紗(34)が「博多ギャル連合」(略してハギャレン)を立ち上げた“地元で伝説のギャル”であること、《結に大きな影響を与える“ギャル軍団”メンバー》として、大木美里亜(みりちゃむ/22)、谷藤海咲(24)、岡本夏美(26)、田村芽実(25)が出演することが発表されている。

 みりちゃむが演じるのは、ハギャレンの復興を目指す総代表・真島瑠梨。谷藤らもハギャレンのメンバー役であり、岡本と田村が演じる役は“高校生の主人公と同い年”であることも判明している。

 そして、結がギャル姿に扮するのは、瑠梨(みりちゃむ)ら“ギャル軍団”を助けるため、福岡・糸島の祭りで超ド派手なギャルメイクをすることになったから、と公式に明かされているのだ。

 さらに言えば、普段の結は黒髪のポニーテールで制服も着崩しておらず、瑠梨らに絡まれて「ギャルなんて大っ嫌い!」と毒づく予告映像も公開されている。

「普段は地味な主人公が慣れないメイクをしたから、本物のギャルとは少しズレたようなコーデになった――とも考えられますよね。つまり、今回公開された橋本さんの“違和感”の声が上がるギャルヴィジュアルは、意図的な演出のようです。

 基本的に朝ドラは時代考証がしっかりしているのですが、『ちむどんどん』は例外的に、あまりにも雑だった。その悪い印象が放送から2年半後の現在も残り続けていて、今回もそうなのかも……と、感じてしまった視聴者もいそうです。

『おむすび』のキャストでは、仲さんがリアルに“平成元年生まれの元ギャル”ですし、令和ギャルのみりちゃむさんも、“元ギャルでコギャル世代”な母親から話を聞いて、役づくりに励んでいるといいます。しっかりした時代考証に基づいた、平成のギャルを描き切ってくれるのではないでしょうか」(前同)

 思わぬツッコミが入ってしまった『おむすび』だが、橋本のヴィジュアルの強さは圧倒的。ハギャレンとの交流でギャルマインドを学び、ギャルメイクも洗練されていくのかも――。