■『海のはじまり』の最終回を気にする声も

 両ドラマの9月2週放送回(ともに第10話)の視聴率は、9日放送の『海のはじまり』が2.4%、10日放送の『西園寺さん』が2.6%だった。

「平日の夜は、忙しい仕事を終え、精神的にも疲れている人が多いですよね。夜のドラマでは癒しが欲しくて……という感じで、リアルタイムでは『西園寺さん』を観る人が多かったのではないでしょうか。途中、両ドラマの視聴率の差はもっとありましたね。

『海のはじまり』は16日放送の第11話も、主人公・月岡夏(目黒)が可哀相すぎて、視聴者からは、悲鳴にも似た声があふれる事態となったばかりですよね」(前出の制作会社関係者)

【以下、『海のはじまり』第11話までのネタバレを含みます】

 夏は第1話で古川琴音(27)演じる元恋人・南雲水季(故人)との間に泉谷星奈(7)演じる娘・海がいることを知り、彼なりに父親になろうと頑張ってきた。

 しかし、その過程で夏は有村架純(31)演じる恋人・百瀬弥生と破局したり、大竹しのぶ(67、水季の母親役)や池松壮亮(34、水季の知人役)が演じる、生前の水季と近しい人々から責められてしまったりと、つらい立場に置かれることに。そして、最終回直前の第11話では、娘の海から「なんでママいたとき、パパになってくれなかったの?」と言われてしまい、夏が静かに涙を流す――という、あまりに重く悲しいドラマが描かれたのだ。

 そのため、明るい作風の『西園寺さん』の最終回を受けて、最終回直前のいまだ重い展開が続く『海のはじまり』に言及する視聴者は多い。

《拗らせすぎて暗い月曜日を 良い人しかいない温かい火曜日でバランス取ってたのに、来週は火曜日が無いので月曜日観る勇気が湧かない...》
《こんなに胸が苦しくなるのと、ほっこりするのと。ワンクールで真逆すぎるって》
《海のはじまりもハッピーエンドでお願いしますーみんなが苦しすぎるの辛いってほんと》
《月曜→火曜 夏くん→楠見くんイライラ(ごめん)→癒やし この流れ、最高やった(略)夏くんも最後は幸せになってほしい》
《いや…西園寺さん最高にハッピーハッピーだったのに。なぜ最終回直前でこんな地獄なんだよ海のはじまり》

 といった声が、寄せられているのだ。

「これまでドラマファンでは、月曜日放送の『海のはじまり』の重すぎる、主人公いじめのような展開にイライラを募らせつつも、火曜日の『西園寺さん』が癒しになり、また次週も2作品を観るという循環があった。それが今回、『西園寺さん』が先に終了してしまったと。

 そして、『西園寺さん』の最終回前日(16日放送)の『海のはじまり』が非常につらく、後味の悪い回だったこともあり、『海のはじまり』もなんとか良い最終回を迎えてほしい、と心配の声が増えているということですね」(前同)

『西園寺さん』の最終回は“これ本当に終われるの?”という声が出るほどに終始ハチャメチャだったが、しっかりとまとめ見事に風呂敷をたたんだ。もはや翌日に『西園寺さん』のフォローがない『海のはじまり』も、視聴者を納得させるラストを迎えられるだろうか――。