《使い道もないまま貯めるなんてお金の意味がない。だから金を溜め込んでないで私に渡して、私がもっと意味のあるお金の使い方をしてやろう》

 こう綴られていたのは、“頂き女子りりちゃん”こと渡邊真衣被告(26)の書いた「頂き女子マニュアル」の一文だ。

「渡邊被告は恋愛感情を利用して3人の男性から1億5000万円以上を騙し取ったとして、今年4月、詐欺罪などの罪で懲役9年、罰金800万円の判決を下されました。彼女が世間の注目を浴びたのは“恋愛感情を利用し、金品を“頂く”までのマニュアルをネットで販売していたからですね」(全国紙社会部記者)

 その売り上げは約2000万円にものぼり、いわゆる“パパ活女子”界隈では、カリスマ的扱いを受けていたという。名古屋地裁の判決に対し、渡邊被告の弁護側は控訴。9月30日に控訴審の判決を控えている。

「投獄された後も、獄中での生活ぶりや自身の心情を綴った“獄中日記”をXアカウント『りりちゃんはごくちゅうです』で公開しています。手書きの手記をカメラで撮影したものがアップされており、今や30万人近いフォロワーがいます」(前同)

 逮捕されたのが昨年、アカウントの運用は今年の3月から。感情的に自身の内面を綴ることもあれば、留置所での生活を淡々と記す日もある。

《新聞買わないと見れないから、まじ、外がどーなってるのかわからないよ。ラジオでニュース流れるけど、抑揚ない淡々とした声で話す声が私は苦手(こわいって思っちゃう)で全然頭に入ってこないよ!! 外の世界は一体どーなっちゃってるんだろー。》(9月2日)

 彼女は今、獄中で何を思っているのだろうか──。

『りりちゃんはごくちゅうです』のアカウントを運営している立花奈央子氏に話を聞いた。フォトグラファーでもある立花氏は、渡邊被告の身元保証人を引き受け、前述の直筆の手記を本人の希望に基づきXにアップしているというが、その出会いはというと、

「渡邊さんとは、新宿界隈の飲み会で知り合いました。作家の草下シンヤさんが彼女を連れていて、“頂き女子りりちゃんって、知ってる?”と紹介されたのがきっかけです。当時の私はよく知らなかったのですが、面白い子だと感じすぐに親しくなりました」(立花氏=以下同)

■ホスト通いをやめて、生き直す

 渡邊被告は逮捕前、風俗店に勤務し、販売したマニュアルの報酬も含め、有り金をすべて新宿・歌舞伎町に在籍するホストに貢いでいたという。立花氏は渡邊被告と初対面したときの印象について、こう話す。

「昨年7月に、“ホスト通いをやめ、生き直すためにきちんとした大人と知り合わせたい”という趣旨で、紹介されました。当時、精神薬を過剰に摂取していた彼女の第一印象は、薬のオーバードーズで“パキっている子”。ポシェットを斜めがけにして、コンビニのビニール袋にいろんなものをガサガサ入れていました。面白く、頭が切れる子で、“これからあなたの変わっていく様子をドキュメンタリーとして撮りたい”、と申し出たんです」

渡邊被告は「風俗嬢と付き合いたい男は絶対見ろ」という動画もアップしていた ※画像はYouTubeチャンネル『りりちやんはホームレスです』より
渡邊被告は「風俗嬢と付き合いたい男は絶対見ろ」という動画もアップしていた ※画像はYouTubeチャンネル『りりちやんはホームレスです』より

 8月31日のXでは、《今日でタイホされてから1年経ちました》という書き出しとともに、現在の心境についてこのように綴っている。

《留置所で半年、拘置所で半年。あっという間って言いたいけど、すごく長かった。1年がこんなに長いなら、ちょーえき9年間、もっと、もっと、だって、こわくなった。

タイホされてから、何度も死にたいと思った。外にいたら薬をオーバードーズして、感覚的に死ねた。でも この中じゃ それは叶わないから、感覚的じゃなくて 本当に.生命的に死のうとして何度も息を止めた。「死にたくない。でも死にたい.」そんな ふわふわで むじゅんした気持ちを、もう10年以上抱えながら生きている.》

 月に1回ほど渡邊被告と面会するという立花氏は、渡邊被告の生活ぶりについてこんな話を聞いたという。

「ファンの方から現金や通信用切手のほか、日用品などが届いているようです。その際、“ありがとうって伝えておいてください”と言伝(ことづて)をよく頼まれます。お礼を言いたくても、手紙の通信制限(平日1日2通まで)があり、手が回らないのを気にしていました」