■フジ月9はスケールダウン、テレ朝はシニア向け

 フジテレビは、10月スタートの全ドラマから豪華キャスト総勢19名が集結した生配信イベント「フジテレビドラマライブ2024・秋~10月スタートの新ドラマ俳優陣集結~」を9月20日に開催した。同局のドラマについて、前出の芸能プロマネジャーはこう評価する。

「フジは他局に比べると予算が多い方だと思います。ただ、ここ最近は当たりはずれが激しいですよね。結果、フジのドラマを見限るようなプロダクションも出てきています。

 かつては話題作を連発していましたが、優秀なクリエイターやプロデューサーが定年を迎えたり、早期退社したり、ドラマの質が低下している。ただ、『silent』など、社会現象を巻き起こすような大ヒット作もたまに生まれますよね」

 先の7月クールには『silent』のメインキャストだったSnow Man目黒蓮(27)主演の月9ドラマ『海のはじまり』(フジテレビ系)が放送された。

「『海のはじまり』は見逃し配信サービス・TVerのお気に入りの数は200万に迫り、夏ドラマでも断トツ1位で回りまくっていましたが、リアルタイムの視聴率はパッとしなかったですね……。コア視聴率(13歳から49歳の個人視聴率)を4%以上取っていた『silent』の半分ほどと、寂しい数字でした。

 かつてはドラマの代名詞だった月9が、すっかりスケールダウンしていますよね……。10月クールの月9は鈴鹿央士さん(24)と松本穂香さん(27)主演の『嘘解きレトリック』。2人とも若手ながら演技力は申し分ない。ただ、月9の主演を堂々張れるかと言われると“まだこれから”という印象で、キャスティングからもフジテレビのドラマがスケールダウンしていることが伺えます。

 そうした状況で、月9の主演を断わる役者も増えています。TVerなどの配信で見る人が増えているから仕方がないのでしょうが、最近の月9ドラマはリアルタイムの視聴率が取れません。数字が悪いと主演の責任になってしまいますから、主演を避けて“二番手なら”という形で月9に出演する役者もいるんです」(前同)

 テレビ朝日は、『科捜研の女』や『相棒』、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』など、数十年にわたって続く人気ドラマシリーズを世に放ってきた。

「ラインナップからも明らかですが、テレ朝のドラマはシニア向けですよね。そのせいか、売れっ子の若手俳優のマネジャーの中には“うちのタレントをテレ朝ドラマには出さない”とまで言う人もいるぐらい。時には、“テレ朝のシリーズものの刑事ドラマなんかに出てなんの意味があるの”、なんて過激な言葉も聞こえてきています。

『相棒』は攻めたストーリーや展開もありますが、たしかに多くのシリーズ物のドラマはパターン化されてしまっている。シニア層は安心して見られるのでしょうが、若年層には刺激が足りない。これからの活躍が期待される若手には出るメリットが少ない、と、関係者の間では受け止められています」(同)