■竜星涼は櫻井翔を超えられるか

 それは、《お父さんが消される現場に居合わせたから顔バレしてるんじゃ? そもそもあの規模の爆発で着火した本人が無事なもん? あと、まったく戦えないのに勝手に潜入してきて、ピンチになったら「お兄ちゃん!」しか言わない妹はちょっと…》というもの。

 貴一(竜星)と優貴(八木)は父・貴司の殺害時に幻獣のメンバーと会ったのだが、その2人を潜入させようとしたことや、貴司は殺害現場ごとガス爆発で吹き飛ばされたが、犯人はその場で火をつけたはずなのに無傷な不可解さ、さらにハッキング以外にまったく使えない優貴にツッコミの声があふれていた。ツッコミながら楽しむのが『占拠』シリーズの面白さだったが、この点は本作でも期待できそうだ。

 今回の主人公は男女バディになるが、優貴にはおおいに期待したい。視聴者からも「お兄ちゃん」と叫ぶばかりで、なにもせず足を引っ張るのではないかと心配されているが、むしろそれが彼女の役割。不可解でどんくさい行動で貴一のピンチを招き、優貴にツッコミの大合唱が起きることが、今後、お約束のパターンになるだろう。

 次回予告の動画では、『占拠』シリーズでもおなじみのおマヌケな殺人マシーンに兄妹が拘束されているシーンが見られる。武蔵三郎(櫻井翔)の「ウソだろ」に当たるであろう、貴一の決まり文句「最悪だ!」で盛り上がる、ツッコミが入る展開が見られそうだ。優貴よろしく、画面に向かって「お兄ちゃん!」と叫びながら楽しみたい。(ドラマライター/ヤマカワ)

■ドラマライター/ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。