■鈴鹿央士・松本穂香のバディ感がカギ
また、最近の月9ドラマは重い作品が続いたため、《鹿乃子ちゃんが嘘を見抜けるから、「この人達、実は悪い人なんじゃないの?」って勘繰らず力まないで見られる。全曜日全時間帯対応型安心設計ドラマで、月曜日から重い重いと言われて久しい月9枠の「これなら文句ないだろ」が聞こえてきそう》など、安堵する声も見られた。
ただ、気になったのは主役2人のコンビ感だ。原作では鈴鹿が演じる左右馬が年上なのだが、実際は松本のほうが年上のため、制作発表時から2人の年齢が原作ファンの間で話題になっていた。キャリアも松本のほうが明らかに長く、原作とは雰囲気が変わるのではと懸念する声もあり、実際、放送後のXを見る限り、2人の相性は賛否が分かれた。
次回以降、左右馬と鹿乃子はバディとして本格的に動き出す。初回は2人の出会いをメインに描かれたため、コンビ感が本当に評価されるのはここからだろう。もしバランスが崩れるとなると、視聴率の好調さを維持するのは難しくなるかもしれない。
とはいえ、鈴鹿と松本は、ともに演技力には定評のある俳優だ。年齢差の問題を超えた絶妙なコンビ感で、目黒蓮(27)主演の前期作『海のはじまり』の最終回で感じたモヤモヤを、吹き飛ばしてくれることに期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。