■いたちごっこを続ける過激動画
また最近、YouTube上で物議を醸しているコンテンツに、『搾乳動画』がある。あくまでも搾乳方法を解説する“教則動画”としておきながら、概要欄にある支援サイトやSNSなどを覗くと、性的コンテンツへの動線となっているのが特徴だ。
今年4~5月にも、搾乳機の使い方を実演するアカウントが2本の動画を公開すると計1200万回以上もの再生回数を記録し注目され、類似動画が多発する事態に発展した。
このような“数字が稼げる”ジャンルの動画は現在乱立状態にある。停止処分とアカウント名を変えた再開設のいたちごっこを続けるなか、“女子高生”をうたい、7月末にアカウントを開設すると下着やコスプレなどで過激な露出をしていたチャンネルが10月3日、アカウント停止となった。なお、このアカウントは8月に搾乳動画を公開して736万回再生を稼いだものの、1か月ほどで動画が削除された経緯がある。
さらに昨年11月にアカウント開設後、キツネ耳をつけ、生着替えを多く投稿していたYouTuberのアカウントも10月10日に停止に。とはいえ、停止されるアカウントは氷山の一角に過ぎない。これらのコンテンツがなかなか排除されない事情について、ITジャーナリストの三上洋氏に話を聞いた。
「再生回数がとれる、知名度も上がるということで、料理やキャンプ、ピアノ演奏など、本来(セクシーとは)無関係の内容であるはずなのに、キャラ作りとして女性が体を売りにする動画が増えています。
YouTubeの『コミュニティーガイドライン』では、“性的満足を与えることを意図した露骨なコンテンツ”を許可しないとし、アカウント停止の可能性があると明記されています。ただその基準は明確ではなく、問題視されている動画も名目上、主目的が性的満足ではないということでスルーされている実情もあるでしょう。
なお“教育目的”ならOKとされることから、最近では概要欄に“この動画は、教育の目的で投稿されたコンテンツです”と主張し、アカウント停止の目をかいくぐろうとする動きもあり、なかなか根絶に至らないのが現状です」(三上氏=以下同)