■YouTube“一発アウト”も「運用基準」を明かさない理由

 YouTubeでは90日以内に3回の違反警告を受けるとチャンネルごと削除(停止)というペナルティが課せられるが、“一発アウト”のケースもある。三上氏が指摘するのは、有料アダルトコンテンツ課金への「誘導」になっている場合だ。

「さまざまなセクシー系動画は、ほとんどの場合有料ファンサイトへの集客を目的としています。そうしたファンサイトで画像や動画が売れるといっても、個人が発信できる時代において、ライバルは増える一方です。差別化が図りにくいなかで、YouTubeの“抜け穴”を使って知名度を上げる方法として浮上したのが“搾乳”や“ノーブラ散歩”、“生着替え”などというわけです」

 10月になりアカウント停止が続いたことに対して、三上氏は「YouTube側が内部のガイドラインの運用方法を変えた可能性や、通報が相次いだ可能性はある」という見方を示す。

「YouTubeを運営するGoogleが、ガイドラインの運用を内々に変更することは珍しくありません。ただし、その具体的な基準を明かすこともない。投稿者からすれば“どこまではOKで、どこからがアウトなのか”というハッキリした基準を知りたくなりますが、明示したら必ず裏をかく人たちが出てくるという難しさがあります」

 今や、AIで生成した類似コンテンツも登場し、再生回数を稼いでいる。三上氏は、「不適切だと思う動画を見つけたら、視聴者側が報告することが動画プラットフォームの健全化につながる」と話す。