■“薄口”『ちむどんどん』といった評価の声も

 酒井の『おむすび』登場には視聴者からも好意的な声が多いが――、

「ドラマ全体に対する評価は、依然として芳しくありませんよね。本作は“特定のモデルがいない現代劇”という点で、放送前から伝説級の低評価朝ドラ『ちむどんどん』(22年度前期)の二の舞になるのを懸念する視聴者は多かったですが、その懸念された方向に絶賛進んでいる感じですね……」(前出のテレビ誌編集者)

『おむすび』の序盤のメインテーマとして扱われている“ギャル文化”が、朝ドラ視聴者層の世代と合っていないという指摘があるほか、Xでは《#おむすび反省会》というハッシュタグをつけて、『ちむどんどん』を引き合いに辛辣な意見を投稿する視聴者も多い。

《ちむどんどん完走したけど(なんだかんだキャラ立ちしてた。所々面白いこともあった)が、これはあかん。1話から最高速で飛ばし遂に脱落》
《『ちむどんどん』にはあった「人の心を逆なでするサムシング」もなく、ただただつまらないだけの『おむすび』。これは見続けるの無理だわ。どうしよう》
《(結の祖母役の)宮崎美子のわざとらしいお婆さんぶりは見ていて恥ずかしい。腰を曲げて、妙なイントネーションで喋って。今どきこんな婆さんいねぇよ。#おむすび反省会》
《(ギャルを注意する)警察の描写が、あまりに稚拙で笑える。中学生の作った舞台劇レベル。#おむすび反省会》

 すでに、X上では “『おむすび』はつまらない”という空気が定着しつつあり、“反省会”は今後、さらに盛り上がりそうな気配もある。

「確かに『おむすび』はご都合主義的な展開が目立ちます。ただ、視聴者の指摘の声にある、見ていて相当きびしかった『ちむどんどん』ほどは大きく破綻した展開や雑な演出があるわけでもないため、現状は“ネタにするほどでもなく、普通に面白くない”という感じとも言えそうですが……。

 しかし、今回の酒井さん登場で盛り上がったようにまだまだ注目度は高いですし、年配の視聴層からの評判が悪くても、ギャル文化をしっかりと描こうとしていることも伝わってくる。

 公式のあらすじを見るに、物語は次週10月21日放送回から大きく展開していくと考えられますので、勝負はそこからかと……」(前同)

 平成を代表する“ギャル女優”酒井若菜の登場で視聴者が沸いた『おむすび』。従来の朝ドラ視聴者に刺さっていない“ギャル編”は、どんなフィナーレを迎えるのか――。